第19話 魔力と空間
こんにちは、トラウです。
またまた、魔力操作の練習中。今は、魔力を大量に一か所に集めるとどうなるのかの実験をしている。
物理の法則的には、質量をもつ物質が集まると、万有引力とかなんやらの影響で重力が発生すると思うのだが、魔力は質量をもつのかすら怪しい意味の分からない何かでしかない。一種のエネルギーのようなものなのか、それとも、何かしらの物質なのか、それの特定につながると思い、調べてみているわけだ。
しかし、そんなに大量の魔力を持っているわけではないので、今回新しい技術を身に着け、不足分を補うことにした。
それが、自然魔力操作だ。自然魔力というのは、其の名の通り、自然に元から有る魔力。魔法の残滓だったり、植物などが発している微弱な魔力だったりというもの。それを操る技術が自然魔力操作。ちなみにこの技術を極めると、他人の魔法も乗っ取れるらしい。自分の魔力じゃない魔力を操るってことだからね。ロマン技術だなぁと思いました。
まぁ、そんなこんなで一か所に魔力を集め続けた結果、面白いことが起きた。
端的に言えば、空間がゆがんだ。そこだけ、空間が広がったかのように。そこを通して景色を見ると、普通より遠くに見える。そんな球状の空間が生まれた。
実験ということで、周りに結界を張って、まずその空間に魔法を放ったところ、その空間内で、外から見るとゆっくりになって飛んでいったように見えた。
次にそこに創造魔法で作り出した、ボールを投げ込むと、その空間に入った瞬間減速し、外で投げた時よりも短い距離で落っこちた。
そこで、僕は空間が拡張されていると断定。とりあえずいっぱいになるまで物を詰め込むことにした。
♢♢♢
結果から言えば、空間が4~5倍ほどに拡張されていた。もっと魔力を込めると、もっと広がるのではないかと考えられる。僕としては、ブラックホールができても面白いかなと思ってはいたのだが、少し予想外の結果だ。ちなみに、中に入れたものは普通に取り出すことができた。
「これ、持ち運べたら便利じゃね?」
と思ったので、作りました、魔道具。典型例にのっとって、「
まぁ、お金に困ったら、貴族や商人に売りつけに行ってもいいかもしれん。将来は領地経営もすると思うし、領地の開発のためにもお金はいくらあっても足りないと思う。稼ぎ口があるのはいいことだ。
付与したバッグは、僕が自作したやつ。スポーツメーカーが出している、四角っぽい形のバッグ、スクエアリュックとか、スクエアバッグとかって呼ばれているものだ。こちらの世界のバッグは、手提げの物が多く、持っていると片手がふさがるので、リュックを自分用として開発したのだ。自分の持てる技術の粋を集め、作ったバッグなので、ミスリル製の金属繊維が編み込んであり、かなり丈夫。普通のナイフとかじゃ切れない。これは父上にも絶賛され、父上の分も作ることになった。一緒にメイス先生の分も作って渡したら、滅茶苦茶気に入っていた。騎士団時代に、リュックサックというようなものはあったらしいが、鉄板で補強していたらしくとんでもなく重たかったそうで、これはいいと言っていた。
この世界の文明レベルを気にすることなく、いろいろしでかしているが、将来的には領地丸ごと近代化するつもりなので、ガンガンやっていこうと思う。
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