第96話 弔い
あなたがここにいないまま、当て所ない気持ちだけが膨れて、ぶらりと空からぶら下がっている。生まれてしまった想いは、行き場をなくし、ただその名を探して彷徨う。
これではまるで、遺されたこちらが亡霊ではないか。
もういないあなたを見つけに、哭きながら漂う朧な影を、人は後悔と呼ぶのだ。
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