アンダースロー
文戸玲
第1話
さらさらと線を描いて水が流れる。足元に平らな石が落ちている。波をそのまま映したような模様をした石は,角が取れてつやつやしている。去年の夏,真由と二人でこの河川敷に来て,形の綺麗な石を拾い集めた。拾い終わった後は,20メートル以上の幅がある川に向かって石を投げてはねた回数を競った。気に入った石をお互いに見つけては,この石は投げられない,とお互いに見せ合って笑っていた。
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