Pine and Summer
傘井
前編
Pine & Summer
夏の空をバックに独自
坂下 夏
五年おきに夏休み中に最悪の事が起きる
小1 同級生からムシキングカードを譲ってくれないという理由で田んぼの中に突き落とされる 小6 高速盆踊りなるものを踊っていた酔っ払いに追突され全治一か月の骨折 中2 振られたショックで銀強強盗をしたOLにつかまって人質になる
そして現在高2 私は
血だらけの幽霊と対面していた
幽霊『草田 松子』
夏
「きゃーーーーー」
松子
「やったーーーーー」
5時間前
ご飯をたべながら
坂下 春(母)
「今日お母さん遅くなるから。夕食は適当にすましちゃって」
坂下 夏
「分かってますよ春先生。 春先生はいつも8月8日はどこか私に黙ってでかけますものね」
坂下 春
「あんたその先生って言い方やめないと。もうミートパイ作らないから」
泣きわめきながら
坂下 夏
「母上殿それだけは、それだけはご勘弁を」
夏独自
「私の母「坂下 春」は私「坂下 夏」を一人で育てる中堅小説家だ」
「いつもは、家が仕事場ということもあって夕食は二人揃って食べるというのが我が家のルールなのだけど」
「この8月8日だけ母は私と夕食を取らず毎回9時頃に涙目になって帰ってくる」
「その尋常なるオーラから8月8に日何をしているのかきけず今にあたる」
廊下
坂下 春
「あんた一人で、心霊番組とか見ちゃだめよ。」
坂下 夏
「そんなことしないよ絶対に、私幽霊大嫌いなんだから」
坂下 春
「何言っての去年一人でみておもらししたじゃないその年で」
坂下 夏
「しかたないでしょ。あの時は心霊番組にあすかちゃん(夏が好きなアイドル)でてただもん」
坂下 春
苦笑い
玄関前
坂下 夏
「お母さんハンカチ忘れてる」
坂下 春
「あ、ありがとう。そうだ夏。」
坂下 夏
「何」
坂下 春
「今日帰ってきたら、いろいろ話したい事あるから絶対に9時に家にいてね」
動揺して固まる夏
坂下 夏
「え」
坂下 春
「まあ丁度16年目だしいいなって。じゃいってくるね」
ドアが閉まる音
夏
「いや16中途半端」
学校の通学路バスの中で、夏隣に座る
夏
「家の母が、かくしごとしてて困ってます」
正宗(夏の幼馴染)
「売れなそうなラノベのタイトルみたいだな」
夏
「えー厳しいな正宗。て違う、私は本当に悩んでるの」
正宗
「でもおばさんってさばさばしてて、かくしごとかしそうにみえないけどな」
夏
「でしょう。反対に人の秘密あばくほうというか」
正宗
「その秘密をネタに金をせびると」
夏
「そんなことしないよ。お母さんやさしい人だから」
正宗
「まあ確かにおばさんやさしいよな。」
夏
「そのやさしい母が一六年も秘密にしてきた事を聞かせられるから困ってるんだ」
正宗
「なんだ教えてもらうのか、困ることないだろ」
夏
「良くないよ。どうしよう実はお母さん美少女セーラー戦士とか言われたら。あーー怖い」
正宗
「四〇代の美少女セーラー戦士は怖いというより痛いじゃないか」
夏
「怖いよーー。あーもう秘密聞くとか恐怖でしかない困ったーー」
正宗
「でもその口ぶりだと聞くんだろおばさんの秘密」
夏
「うん。お母さんがあんな真剣な目で言うじゃ聞くしかないというか信頼してるし」
正宗
「答えは最初から決まってるじゃないか」
夏
「そうだけど。もっと励ませよ幼馴染」
正宗
「まあ夏がおばさんの秘密かかえきれなかったら俺に頼れよ 幼馴染なんだから」
夏
政宗の返答をきいてうれしい顔をする夏
文芸部部室
夏
「いやーーあの言葉を聴いて私は幼馴染として見直したね。昔田んぼに突き落とされたけど」
花(夏の親友)
「夏嬢あんた正気ですが」
夏
「えっ、なんかおかしい花ちゃん」
花
「実写版デビルぐらいのおかしさですよ夏嬢」
夏
「え、だって田んぼ突き落とされた後洗濯だって大変だったし」
花
「違うそこじゃない」
夏
「どこ」
花
「あんた、恋愛フラグビンビンにたってるのに何無視かましてんですか」
夏
「あいつがわたしの事好きって」
花
食い気味に首を縦に振る
夏
「ないない。だってあいつ将棋一筋の将棋バカだよ」
花
「あーーわかってないですわ夏嬢、あんた鈍感ラブコメ主人公ですか」
夏
「どこが」
花
「どこが、あーーもうこの際全部言わせてもらいますわ
まず幼馴染だからといって毎日相席でバス登校なんてしない」
夏
「えっ、普通じゃ」
花
「普通じゃないし、まえ夏いってたよね、政宗くんに県外の大学に進学したいって話したら寂しいそうな顔してたって」
夏
「うん、やさしい奴だなって」
花
「夏さん男がそいう顔する時は、片思いしてるって「げんしけん」で学びませんでしたか」
夏
「えー違うんじゃない」
花
「違くない。まだ、告白してないのに遠くにいってしまう幼馴染を思い切なくなっただんよ」
「てかてか困ってる女子をみて文化系男子が俺に頼れなんて、惚れてるとしかいいようがない」
夏
「そんな無茶苦茶な」
花
「てか単刀直入にききますが夏嬢。政宗くんに告られたOKしますか?」
夏
顔を赤める
「えっそれはその」
花
「おーーまんざらじゃ」
唐突にドアのノックオン
花
「おーーい。こんないい時に誰だよ 荒おと第2話のかづさみたいに間が悪い奴だな」
政宗
「失礼します。 花さんこんにちは」
すごい笑顔で挨拶
花
「あー政宗くんこんにちは」
夏
心の声
「00.5秒で猫かぶり」
夏
「どうしたの政宗。 将棋部、夏の地区大会に向けて猛練習中じゃ?」
政宗
「いま休憩中で ちょっと夏に言いたいことあって来た」
夏
「なに」
政宗
「地区大会で優勝したら夏に言いたいことあるから来週の大会見にきてくれないか」
夏
「えっ見に行くけど 今ここでいえ」
夏を遮り突如叫ぶ花
花
「あーーーーそうだった 文芸部も直木三十五賞のために頑張られならくちゃだった 政宗くん御退出を」
政宗
「あっうん」
夏
「えっ花ちゃんまだ話は終わって」
花いいながら政宗を出口の方へおしていく
花
「直木賞とりたくないのか 私たちは作家作家、作家、なんだよ」
「じゃーね政宗くん」
花思い切りドアを閉める
花
「夏嬢本当に恋愛クラッシャーだな」
夏
「えええ」
花
「あれはもう、優勝したら付き合ってくださいって意味よ。戸田奈津子だってそう訳す」
「それをいま話せなんてまさに外道」
夏
「そうなのかな」
花
「そうだよ」
机に倒れ込む夏
夏
「母の事といい政宗の事といいもう頭パンクしそう」
花
「いいじゃないですか青春ですよ」
ドアがまた開く
花
「どうしたの政宗くん やっぱり思いを伝えに」
顔が険しくなる花
「って政宗君じゃなくて文学部顧問の嵐山先生なんのようだですか」
嵐山
「顧問だから二人の作品を見に来たんだ
まあイケメン将棋部員じゃないことは詫びとくよ」
「さあ原稿をこっちにだしてくれ」
花
「まあいいだろ 私の原稿でお前をKoしてやるよ」
嵐山
「どんな話だよ」
花
「スチームパンクラブコメ」
嵐山
「なんだそれ」
二人の会話を聞きながら考え事をしてて、暗い顔している夏
嵐山
「夏ちょっといいか」
夏
「あっはい。なんですか」
嵐山
「おまえいつも頑張ってるからこのお守りやるよ 」
お守りを受け取る夏
夏
「あ、ありがとうございます」
嵐山
「まあ持ってれば今日いいことおこるから大切にな」
いきなりの事に府が落ちない顔の夏
夏
「はーー」
花
「先生私には」
嵐山
「お前にはない」
花
「なんでエコひいきだーーー 夏が綾波レイにみえたか」
嵐山
「みえてないよ まあお前はもっと赤点、減らしたらプレゼンしてやると」
二人の会話を見て笑ってる夏
夏
「はは」
独自
こいう日常がつつけばいいなお母さんとも政宗とも そうそうだから東山公園に行きたい うんなんで東山公園にいきたいんだ でもなんかとても行きたい
夏
「先生」
嵐山
「どうした夏」
夏
「すいません。なんかこのお守りもらったら東山公園行きたくなったので行っていいですか」
嵐山
「いいぞ、きよつけてな」
びっくりした顔の花
「先生行かしていいの、あんな滅茶苦茶な理由で」
嵐山
「まあそう仕向けたの俺だしな」
花
「はっどいうこと」
嵐山
「まあいいじゃないか はやく俺をKOする原稿見せてくれよ」
東山公園
夏
「なんで東山公園にこんないきたくなったんだ 絶対これ呪いのお守りだよ」
「幽霊出てきたりして」
血だらけの幽霊松子が夏の背後か出てくる
松子
「まあ出てきてしまうんだな幽霊」
夏
「え」
振り返る夏
「きゃーーーーーー」
松子
「やったーーーー」
夏
「逃げなきゃ早く あれ体動かない」
「あ死んだ」
松子
「甘いよ小童 幽霊歴16年の金縛りをなめるなよ」
「まあ5秒しか続かないけど」
金縛りが解ける
夏
「逃げろ―――――」
松子
「逃げるな 呪わないから 気持ちいい事するから」
夏
「気持ちいい事するってやつにろくなやつはいない」
松子
「私の間違って陰陽師に除霊されたか聞かせてあげるから」
止まる夏
松子
「自分の作品に使えそうならネタなら、恐怖よりもネタを優先する いやーー立派な物書きだね」
夏
「その通りなんで早く教えてください、今でも怖くて吐きそうなんで」
松子
「分かった、教えてあげる」
Pine and Summer 傘井 @ogiuetika
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