日常の中の違和感
月白藤祕
昨日までそこには階段があったはずなのに……
いつもの駅のいつもの乗り換え。
私は階段を降りながら定期券を取り出した。
階段を踏み外さないように階段をみつつ、
前も少しばかり見る。それがいつもの事。
それが今日は何故か少し上を見た。
そこに、この通路には出口はありません。の文字だった。
私は首を傾げた。
おかしいな、改札を抜けたところに外へ繋がる階段があったはずなのにな、そんなとこを思って階段を降りていった。
いつも通りにぴっと改札を抜けると、いつもあったはずの階段がない。そこは扉のついた壁だった。
物凄い違和感と、ある種の恐怖を覚えました。
いつもあったはず。見間違い?いや、毎日みてるはずだから、見間違うはずないのにな。おかしいな。
昨日ここにあったはずの階段を人が登っていくのを見たのに……おかしい。おかしいぞ。そんな風におかしい、気持ち悪いという言葉が頭をぐるぐると回るのです。
その日の帰り道。私ずっと気持ち悪さで、吐きそうでした。記憶との差異を感じる時、気持ち悪いと感じますね。
恐らくどこかの駅の似たような場所が重なったのかなと思います。というよりそう思うしか、この恐怖は拭えなさそうだったので、そう思うことにします。
日常の中にある自分の記憶との差異を感じた話でした。
日常の中の違和感 月白藤祕 @himaisan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます