日常の中の違和感

月白藤祕

昨日までそこには階段があったはずなのに……

いつもの駅のいつもの乗り換え。

私は階段を降りながら定期券を取り出した。

階段を踏み外さないように階段をみつつ、

前も少しばかり見る。それがいつもの事。


それが今日は何故か少し上を見た。

そこに、この通路には出口はありません。の文字だった。

私は首を傾げた。

おかしいな、改札を抜けたところに外へ繋がる階段があったはずなのにな、そんなとこを思って階段を降りていった。


いつも通りにぴっと改札を抜けると、いつもあったはずの階段がない。そこは扉のついた壁だった。


物凄い違和感と、ある種の恐怖を覚えました。

いつもあったはず。見間違い?いや、毎日みてるはずだから、見間違うはずないのにな。おかしいな。


昨日ここにあったはずの階段を人が登っていくのを見たのに……おかしい。おかしいぞ。そんな風におかしい、気持ち悪いという言葉が頭をぐるぐると回るのです。


その日の帰り道。私ずっと気持ち悪さで、吐きそうでした。記憶との差異を感じる時、気持ち悪いと感じますね。



恐らくどこかの駅の似たような場所が重なったのかなと思います。というよりそう思うしか、この恐怖は拭えなさそうだったので、そう思うことにします。


日常の中にある自分の記憶との差異を感じた話でした。

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日常の中の違和感 月白藤祕 @himaisan

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