第37話 原付二種でゴトイチ!(五島福江島一周記)3

 さて、前回は暑い日に美味しい熱いお昼ごはんを頂いた話でした。

 今回は鹿バーガーと高浜ビーチへ行く道中のお話。


 NEWパンドラさんから玉之浦教会へ向かいます。

 距離はそんなに遠くなく、5分くらいで到着。

 玉之浦教会は民家の間にひっそりあるこじんまりした教会です。中には入れない感じで、玄関に猫ちゃんが信じられない格好をして寝転んでいました。

 どう信じられないかって言うと、まず、人間のように座って、背中は床にゴロンと寝転んで首だけ上げてる状態。想像つくかなあ?


 そこから鹿バーガー(あ、正しくは鹿肉か?)のお店まではすぐです。教会からオレンジののぼり(旗?)が見えているので、そこまで行って、小道を行くともう到着。

 昔ながらの駄菓子屋さんを改装したような素敵なお店で、鶴田商店さんだったか、ごめんなさい、名前をど忘れしてしまいました。

 注文してから作ってくださるようで、少し待ちましたが、熱々の美味しいバーガーが食べられます。

 他に、ポテトやジュースもありますよ。

 めちゃくちゃ美味しい鹿バーガー。オススメです。

 ちなみに、私達はビーチに持って行って食べよう、とお持ち帰りをチョイス。


 さて、ここから高浜ビーチを目指します。

 来た道を引き返し、井持浦教会を通り過ぎ、384号線へ合流。

 標識に従って、北へ向かいます。


 どんなビーチなのか、興奮しちゃうくらい楽しみで、口元がにんまりしてくる。

 世間のYou Tubeやブログで散々素晴らしいって言ってはるし、実物はえげつないんじゃないかい?と期待マックス。


 ぶーんとバイクがうなりを上げて進む中、旦那様が、こっち、と海辺を指す。

「?」

 見るとビーチがある。

 あれ、あれあれ。


 めっちゃ綺麗やん。


 ここは高浜ビーチではない。

 標識もないし、なんだ?と、二人でバイクを進めて行くと、そこにはもう言葉にならない絶景が。

「なにこれー」

 道端にバイクを止めて、砂浜に降りてみる。

 遠浅のような海水は砂浜を超えてまだ遠く、そこで海水浴を楽しんでいる人々の笑い声が風に乗って届く。


 粒子の細かい白い砂浜が波の形にでこぼこしていて、これがまた綺麗なのって!

 きっとここは時間によって海の底になる場所。

 その途中に降り立って歩いている私達は最高に美しい世界の中にいるのだと感動してしまう。


 波の立っておる場所まで歩いて行くと、なんだか少しずつ海水が増えていっている。

 そんな自然の営みにも感動しつつ、このビーチの最高の美しさを目に焼き付ける。


 ここは天国や。


 本当にそう思うほど、美しかった。

 ここのビーチの名前は「頓泊(とんとまり)ビーチ」。

 みなさん、覚えました?

 私達が最高認定するとしたら、ここにします。翌日に行った香珠子もなかなか良いビーチでしたが、頓泊がナンバーワン!


 そんな感動もひとしおのところ、私達には目的地が有りすぎて出立の時間が迫ってくるのであります。

 また来るぜ、頓泊!

 心で叫んでんバイクに跨りエンジン始動。

 次は本命の高浜ビーチだ。

 頓泊であれだけ美しかったんやから、もう涙ちょちょぎれるぐらいに綺麗なんちゃうん、と私の期待値の火が着いてロケット発射されてしまってる。


 坂を上がり、ビーチで食される鹿バーガーもアツアツのまま、標識が見えてきた。

 「高浜ビーチ」の駐車場はいっぱい。

 奥の歩道に乗り上げてバイクを止めてビーチを見る。

「……」

 まず人が多い。まあ、予想してたけども。

 ビーチハウスが賑やかだ。

 海で遊ぶバナナボート的な用具も貸し出ししているみたい。

 海岸が遠い。これは頓泊もそうやったから、時間帯のものかな?

 海は確かに綺麗やった。

 もう五島の海は最高に美しいのは実感済みで、美しいのは当たり前。


 あれ?こんなんやっけ?


 高浜ビーチよ。

 さっき見た頓泊に負けてないかい?


 時間なんやろうか?

 あの写真やYou Tubeで見た美しさはどこへ行った?


 そうか、さっき見た感動の頓泊が美しすぎたんや。


 意気消沈の私を慰めるように、旦那様が鹿バーガーを差し出す。

「食べよっか?」

 うん、と芝生に陣取り口を開ける。


 何ということでしょう。

 鹿バーガー、めちゃくちゃ美味しい。

 昼食後なのに、こんなん余裕で食べられちゃう!って勢いの美味しさ。

 美味なるものを作って頂き、感謝。

 ごちそうさまでした。


 さあ、次、行くぞ、とすぐに出立。

 次回は三井楽エリアへ。感動の赤い道をご紹介。もう感動してばっかりや。

 

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