第11話 水着のはなし
じとっとする梅雨の中、気持ちは夏に向かって解放感を得ようとネットで旅企画のビーチ特集を見たりと妄想を膨らませている今日この頃。
はて、そう言えば、水着あったかな、と衣装ケースをごそごそ。
あるっちゃ、ある。子供が幼稚園の時に購入した完全防備のおばちゃん水着。
縞々のタンキニに足にはにょきっと黒いスパッツ付き。
でも、着るのやだなあ。買っといてなんやけど。
最初に説明しておくと、私、まったく泳げへんので海に行くなら浮き輪必須。しかも蓄えた腹回りの浮き輪肉は浮き輪の代わりはしてくれへんけど、それなりの重厚感をもっている。おしゃれ水着は着られそうもない。
しかーし。おばちゃんとは言え、女子ならば可愛い水着が着たいのは年代問わずやからね。いそいそと水着をネット検索。あるやん、可愛いの。おばちゃんが着ていいのかどうか分からんけど。
はい、そこでなんで着たくもない縞々水着を買ったん?って話になるんやけど、子供連れやから目立たなくて水遊びできるものを探してたんやね、その時は。
縞々。いいやないの、縞々。ストライプって言ったらお洒落やん。
けどね、着てみてビックリ。
言葉が出てこないのよ、感想が。
んん?んんん?って唸る感じ、分かります?
あかん、これは、とその時は昔の水着を出してきて、男物のサーフパンツとラッシュガードで乗り切ったんやけど、それはそれで、ステテコ着たおばちゃんが水遊びしてんでっていう頂けない感じになってしまうという結果に。まあ、気にせんかったら着られるんやけどね。
おばちゃんの水着選びって、かなりむずかしいんじゃあ、と実感したわけでございますよ。
こちとら年季の入ったおばちゃんですけども、ビーチと聞けば気分も盛り上がるし、はみ出た肉を隠しつつ、わくわくしながらお洒落な水着も着たい。旦那様に見せるくらいの楽しみやけど、失いたくない乙女(あえてここは乙女、ね)心。
コロナでビーチに行けるか分からないご時世やけど、ビーチリゾートで楽しく遊ぶ妄想は自由やからね。
水着も選ぶの自由ってことで。
そうそう、海外のおばちゃんたちは自分の好きなもの選んでるし。ぽっちゃりでも真っ赤なビキニも堂々と着れちゃう姿に憧れつつ、私も好きなものを選んじゃおうかな、と思う今日この頃。
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