ずぼら日記

@nanami-tico

第1話 歯が突然痛くなった

 この前、あごが突然痛くなった。

 前に、いや若い時にあごが外れた経験があるので、戦々恐々。大丈夫やろうか、私。心配で旦那様に言うと、

「昨日、歯ぎしりしとったで。めっちゃ変なやつ」

 へん?

「かちんかちん、言うてた」

 カチンカチン……。

「何か腹立つことあった?」

 いやいや、そういうことではなく、歯ぎしりしてたのなんて知らないし。

 その翌日、なんだか奥歯が痛い。

「歯医者行こうかな」

 歯医者が大嫌いだけど、信頼している先生がいるので行くと決めたら即行きます。だって放置すると、耐えられんくらい痛いのを知っているから。

「肩こりちゃう?」

 旦那様に言われると決意が揺らぐ。

 じゃあ、マッサージしても治らないなら行こう。

 これが間違いでした。

 だって、痛いんだから、もう猶予がないってこと!

 その日はマッサージして楽になり、ついでにバファリンを飲んで歯痛も肩こりも消えて、スッキリ。

 ついに歯医者に電話せず。

 でも!

 翌日は痛い。これ、あかんやつやわ。

 すぐに歯医者に電話。

「あ、○○さん?歯、痛いの?」

 そう、歯医者が怖くて行かない人認定受けているので、その歯科では割と要注意人物扱いされている私。

「じゃあ、明日の朝があいているから、きてね~」

「は~い」

 なんて気楽に返事できたのはその時だけ!

 もうそこから痛み止めの効かない壮絶歯痛と戦うことになるとは知らなかったよ。

 痛くて眠れない。

 寝不足のまま、歯医者の予約時間に行くと、

「どうして続けて来ないの~」

 とお説教。

 いやいや、通うつもりはあってですね……。

「歯周病は放置したら駄目なんだよう」

 優しいお医者様ですが、治療は的確で厳しい。

「虫歯はないねえ。歯茎の腫れかな。怪しいのはこの詰め物の下だけど。ここは写ってないから詰め物をはがしてみないと判断できないねえ」

 レントゲンを見ながらうなる先生。

 はいはい、私がずぼらで通院しなかったからこうなったんですよう、と非を認める私。

「あ、それはそうと、△△くんね、神経が育っているかみたいから連れて来てね」

 息子の名前を出す先生。

 はいはい、そっちもずぼらして連れて来てない、訳じゃなくて、息子は忙しいから来るとなると学校休まないと来れないんですぅ。

 でも、検診の必要性は分かっているので、コロナで外出自粛していた春を越えて夏休みにでも、と考えていました。

 で、私はどうなるの、先生?

「とりあえず、菌を殺す薬(抗生剤、噂のジスロマックですよ)飲んで、効かないかもしれないけど、その後判断しよう」

「は~い」

「痛み止めは残ってる?」

「市販の効かないから下さい」

 って、もらったのはロキソニン。聞いたことあるけど初めて飲むなあ。

 それと口内を殺菌するうがい薬を処方されました。

 これで歯茎治るかな。るんるん。

 とは言え、虫歯である可能性も残っているわけで。

 気楽にはーい、と返事した自分が許せない。

 この後、三日間、痛みに食事もできず、のたうちまわる羽目になろうとは。

 そもそも痛み止め効かないし。ジスロマックって本当に効くの、と詐欺にあった気分でネット検索すると、効果は数日後からしか出ないらしい。

 数日っていつよ?

 痛い。とにかく痛い。そこで歯痛に効くツボなるものをネットで見つけて常時押す。効くとこと効かないとこがあったけど、押してる間はなんとなく痛くない?でも痛いって感じで、どうにかこうにか持ちこたえ、なんと体重が三キロもやせて喜んでいいやら、疲弊しまくっていたわけですが。

 なんか今も薬飲んで三日目を終えようかと言う今。

 痛いけどぼけてきてる?

 痛み止め(効かなかったけど、あれ以上痛いのは嫌だとしつこく飲んでる)が効いてきているのか!?菌殺しの薬の成果なのか?いい仕事してんなあ!

 痛みはあります。けど、耐えられない程じゃなくなった。麻酔打った時の痛みのぼけ方に似てる感じ。確かに痛いんだけどなあって。

 これで寝れるよ。ありがとう、菌殺し薬。いや痛み止めか?


 ここまで書いて、ふと、そういや、ネットで突然痛くなることはありませんって記述があったことを思い出した。

「突然痛くなったけど、どういうこと?」

 と突っ込んでいたら、優しい旦那様が一言。

「君、鈍感やから、サインに気が付かへんねんなあ。恐竜並み」

 サインってなに?

 痛みに鈍感なら三日ものたうちまわってませんけど!子供たちにも、お母さんは痛いので君たちの相手はできませんって宣言しませんけど!

 そういうわけで、他人は人の痛みに鈍感なんだな、って分かった日でした。

 あれ、その割に、旦那様のお母さんは心配してくれましたけど?

「歯、痛いの、私には分からんけど、痛いんやろうなあ。私がご飯作ってあげるし、ゆっくり休んどき」

 なんて天使!

 旦那様は優しいけど、こういう言葉、絶対言わないよね。

 なんだろう、腹が立ってきた。

 でも血圧上がると歯が痛むし怖いし、もう寝ることにします。

 明日は痛くありませんように。

 そしたら子供たちに笑顔で「もう治ったし大丈夫やで」って言ってあげられるのになあ。だって、母さんが元気ないと子供達の元気もない、なんてわけはないけど、少しは心配してくれてるし。ゲームばっかで手伝いは全然しない人達だけど。人を洗濯屋さんか給食調理人くらいにしか思ってなさそうですけど!それでも、痛いのかなんねえって優しい言葉はかけてくれるのよ。末っ子のちびちゃんは1年生で心配そうに見に来てくれるけど、歯痛いのうつるで~って言ったら逃げて行って歯磨きしてた。

 ともかく、歯痛事件が落ち着くまで、痩せてる私を見られるのは期間限定。

 早くごはん食べたい。

 以上、昨今の出来事でした。おわり。

 

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