第2話 A new hope〜新たなる希望

「それではひとつだけ、願いをどうぞ」


 魔神がうやうやしく片足をついて小絵にかしずく。


 ——パンツまで見られたんだから、ここは絶対さっきのような失敗をしないように。


 小絵は花1本で終わってしまった最初のお願いを反省して、今度は慎重になろうと心に誓う。


 ——言葉選びは要注意ね。


「で、魔神さんにはどんなお願いなら叶えてもらえるの?」


 小絵が魔神に聞くと、魔神が困ったような顔をする。

 ——私、言葉は間違えてないはず。


「どうしたの? 魔神さん」

「いえね、もうご主人様と私の間柄ですから、魔神さんというのも何か他人行儀だなと思いましてね」

 ——ひっかかるな、私。

「あの、まだ間柄というほど打ち解けてはいないと思いますけど?」

「できればジーニー様のように名前で呼んでいただければ幸いです」

「ああもう、めんどくさい人ね。じゃあ、名前を教えて」


 魔神がニヤリと笑った。


「私の名前はジェニファー。確かにひとつ、願いを聞き届けました。では」


 ——しまったああああ!

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