13.秘密五
脱衣場から浴室へと足を運んでみると、部屋の隅には四角く枠を区切ったような巨大な湯船があった。高さは丁度人の膝ほど、横は五、六人は悠に入れる幅があって、その中に少し濁っているが、湯がなみなみと張られていた。
手桶で浴槽の中の湯を掬うと、
周囲にむわりと大きな湯気が立ち上った。
温かいお湯特有の、湿気った柔い匂いが漂ってくる。
「良いお湯ですよ。ほら
「あ、はい。……でも、私は先に服を洗いますので。」
こう小水に濡れた所を洗っていると、子供の時以来で、改めて粗相をしてしまったことが恥ずかしく情けなくなってしまう。
特に股間の部分の、思い切りに濡れてしまった所をしっかり洗おうと力を籠めようとする。
不意に、するりとお腹に何かが触れた感覚に襲われる。
「ひぅっ!?」
ぎょっとして
それは体の後ろから伸びて、お腹のお
慌てて
蠱惑的な笑みを浮かべた
柔くぬるりとした気持ちの良い感触が肌へと触れて、
「ふ、
慌てる
「いえ、なに。私は体を洗い終えてしまいました故に、ついでですから、
「け、結構です!」
慌てて
「ひゃうっ!?」
お腹を触られたのにも関わらず、背筋の方に、ぞくぞくっとした快感が走ってくるのを感じ、困惑して
「そう、無下になさらないでくださいまし……。」
耳元に口寄せると、緩く甘い調子で
有無を言わさずに
白く濁った液体をにじませながら米糠の袋は
米糠を水に浸らせると、微かながらに肌を溶かす性質があり、服を洗ったり体を洗うことに使われてきた。肌を溶かすなどと言うことを知っている人間は殆どいなかったが、経験則的に使えば垢や汚れを良く落とせることを知っており、風呂屋では米糠が常備されている所が多かった。
ぞわぞわっとした快感が走って、
「あぅ……、あの……結構ですから。」
首を振るって
「ひぅっ……。」
喉の奥から
「そう、仰らずに洗われてくださいな。」
緩く甘い声を響かせて
有無を言わさぬ手つきで、
するすると、厭らしくも
「~~~っ……。」
肌が震え喉が妙な声を上げた。
意外なことに、
むしろ妙に肌を走る快感に、
米糠の滑らかな袋が胸元を伝い、膨らみに合わせて肌をなぞっていく。
続いて
指先が柔く乳房の肉が埋まり、中の乳腺を刺激して上へ上へと伝っていく。
不意につっと、
乳房の先端の突起であった。
白い肌の中で、唯一桜色をして浮いたように見えるその突起は、
「あ、だめですっ……。」
「何がですか?」
乳房の一番先端まで伝うと、人差し指と親指の先で、くっと、その突起を摘まむ。
まるで柔肉の中から押し出されたようにして、桜色の突起が一層に膨らんだ。
「ふぁう……そんな……。」
びくんと
喉の奥には、とろりと粘り気のある唾液が溢れてきて、僅かばかり甘味すらも感じる気がしてしまう。
体全体が切なく震えて何度も
「大げさに反応なさって、体を洗っているだけですよ。」
「そんなぁ……これが?」
喉の奥から嬌かしい声を漏らして、
「ええ。ほら体の力を抜いてください。」
言いながら
胸元から肩筋、首元、細い鎖骨を通って肩へと至ると、そのまま腕をすうっと撫でて指先まで至った。
そうして愛おしそうに
「指の間も洗いませんとね。」
掌を手の甲へと重ね合わせると、指先を
「ああ……これは、心地好いです……。」
「そうですか?そうですごうざいます……。ではこの片手はずっと握っておきましょう。」
左手を握ったままにすると、右手はするりと指の狭間から抜けていく。
僅かに名残惜しくて
指の狭間から抜けた
鼠蹊部を伝って足の内側へと触れた。
「あ、そこは……。」
咄嗟に
足の内側へと触れさせないようにと意図していたが、その前に
ついっと、その表面を撫ぜて、
そこにあるはずの感触がないことに、思わず指先の動きを止めて驚いていた。
「おや。
彼女の言う通り、
産毛と呼べる細く小さな毛は勿論生えていたが、普通の大人ならば誰もが生えている陰毛がそこには無かった。
耳の先まで一瞬で顔を赤くして、
「ま……まだ生えておらぬだけです。」
言い訳するように言った
「ここまで体が育ってて生えておらぬのですから、もう生えませぬでしょう。そうですか。そうですか。生えておらぬのですか。」
「あう……もう勘弁してくださいまし……。」
恥ずかしさで顔から火を噴きだしそうな思いで
多少
「そうですか、失礼いたしました。」
「え……。」
本当に止められるとは思って居なかったのか、
「
言われるがままに
「これは、あの……?」
「では、湯船で待っておりますので。早く体を洗ってきてください。」
すっと
そうして、本当に
少しほっとしてしまいながらも、
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