第30話 爆睡

 ……翌日……



「おはよ、煉叡。」

『おはよう。』

「2人の様子は?」

『見ての通り、グッスリだ。』


 2人は1つの布団で寝ていた。

 夏雅璃弥は仰向けの状態で、夏雅璃弥の体に猫又姿の真梛羅がくっ付き、夏雅璃弥が左腕の膝を曲げ、左手を真梛羅の左脇腹の上に乗せて2人共、静かに眠っていた。


「まるで本当に兄妹みたい(笑)」

『ここはそういうシステムなんだろ?上手くいって良かったな。』

「うん♪」

「おはよ~。」

「おはよ、ゆっくり眠れた?」

「うん、所で2人は大丈夫?」

『爆睡してる。ちょっとやそっとじゃ起きない。』

「そっか~……。でも、びっくりしたね。夏雅璃弥の怪我も、真梛羅の怪我も。」

「うん……。夏雅璃弥はお腹ズタズタにされちゃってるし……真梛羅は脊髄と肋骨に損傷があるし、左足に軽いヒビ……。」

『1、2か月ぐらいは寝たきりだな。さて、と。じゃあ狩りでもしてくるか。』

「「狩り?」」

『ああ、3分くらいで終わるがな。一緒に来るか?』

「「行く!」」


 3人は月光の間を後にすれば天井の板が1枚外れ、碧目の男が降りてき、2人に近付く。

 男は刀を夏雅璃弥の首元に向けて構える。


「……じゃあな。」


 突風で発生し、男は壁に吹き飛ばされる。


「っ……!?」

「どっから湧いてきた。」

「2人は殺させないよ~?」

「チッ、やっぱり簡単にはいかないか。」

「名乗りなさい。」

「俺は双斬、惰邪様の部下。惰邪様は何処だ。」

「そいつは軍。ここには居ない。」

「ならば死に損ないを殺していこうか。」

「気付いてたのか。」

『あれだけ殺気立っていればな。』

「ここから立ち去りなさい。どうしても帰らないのなら、軍に突き出すわよ。」

「良いだろう、また会える日を楽しみにしている。」

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