豆腐小僧の豆腐配達「妖怪、謎解きの旅」
@suupalsannkaidatemannsixyonn
第1話
豆腐小僧を知っているだろうか?
魔界を転々と練歩き、妖怪達に豆腐を届ける妖怪である。
今日は閻魔様のお城に豆腐を届ける為、ネズミ人間達のすむ町を訪ねた。
「すいません、閻魔城を何処ですか?」
外で洗濯板片手に洗い物をしている女性に話しかけた。
「其処を真っ直ぐ言って、4軒目を右行って、細穴を左に行ってから、その先の方で…」
「あ、はい、ありがとうございます」
早口でうまく聞き取れない。
豆腐小僧はその場を後にして、他の人に聞いて回ることにした。
しかし、皆早口で複雑な道ばかりを応える。
豆腐小僧は地図を片手に、教えてもらった道を分かる範囲で進んで行った。
ようやく町を出ると、大きな麦畑が地平線の如く広がっていた。
「おかしいな、此処は何も無いはずなんだけどな」
どうしようかと困り果てていると、麦畑から青いタオルを首に巻いたカカシがのニョキッと出てきた。
「どうしたんだい?」
「其れが、閻魔城に此処を抜けなきゃ行けないんだけど、通れなくて困っているんだ」
「抜ける道?知らないな。道は無いよ」
そお言ってカカシは麦畑の方に目を向けると、其処に畑を真っ二つに割ったようながあった。
「あれ?さっきまで無かったのに…」
「道は無いよ、前をちゃんと見て進むといいよ」
豆腐小僧は言われるがまま進んだ。
しかし、進めど進めど景色は変わらず一向に出られない。
途中、十字方向の道に差し掛かった。
突然、麦畑の中から4体のカカシが豆腐小僧を取り囲むように出てきた。
其々、白、赤、黄、緑、のタオルを巻いている。
白、赤、黄、緑「「「「正しい道の嘘つきは誰かな?」」」」
(真っ直ぐ) 白「緑は正直」
(右方向) 赤「黄色は嘘つき」
(左方向) 黄「白は正直」
(引き返す方向) 緑「赤は嘘つき」
答え↓
ーーーーーー
「分かった!嘘つきは赤だ、右に行けばいいんだね」
赤「違うよ、右じゃ無いよ」
緑、黄、白「「「正解だよ!!!」」」
赤のカカシの言うことを無視して先に進もうとした。
しかし、何か腑に落ちないところがあった豆腐小僧は足を止めカカシ達の方を再度見た。
緑、黄、白「「「どうしたの?正しい道だよ」」」
「…………ねえ、青はどっちなの?」
その言葉にカカシ達がピクリと体を揺らす。
そして一斉に笑い出した。
「「「ウハハ、ウハハ、青は嘘つき、青は嘘つきだよ〜♪」」」
赤を見る。
「青は正直だよ」
豆腐小僧は青の言った言葉を思い返して見た。
『道は無いよ、前をちゃんと見て進むといいよ』
豆腐小僧は両手を前に出し、目を閉じて右方向に進んだ。
カカシ達の笑い声が段々と小さくなって行く。
手に麦が触れる感触がしなくなったのを確認し目を開けた。
やっと出口に出ることができた。
振り向くと其処に麦畑はなかった。
「…早く豆腐届けなきゃ」
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