ししゅうばこ

七森

いびつに曲がったきみのゆびさき

血や肉や骨、臓器が詰まった身体は、空気に触れるだけで鈍い色に変わり、ぼろぼろに腐り落ちてしまう。

彼女は俯く。

無菌室の外側で。歌う人たちのうしろのほうで。喪服を着た集団がよく見える、伸びっぱなしの草原で。

顔が見えない。白すぎる肌が見えない。

暗がりの中で見た、捻れた花のような双子は見つからない。


もう二度と目覚めないようにと強く祈りながら。

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