バウムクーヘンの中心に釘を打つようなものだ。

いありきうらか

第1話

フィクションとノンフィクション。


現実と妄想。


夢と現実。


非日常と日常。


我々は日常を過ごす。


その平凡な日常に飽き足らず、非日常を求める。


非日常を感じる。


非日常は日常からの逃避行だ。


非日常には、日常ではできない体験が求められる。


一方、現実に即したリアリティが求められる。


現実から逃避してノンフィクションに飛び込んだのに、リアリティがないと文句を言う。


フィクションのハッピーエンドを安易だと叫ぶ。


フィクションのバッドエンドについて、お金を払ったのにどうして暗い気持ちにならなければならないのか、と叫ぶ。


作り物なのに結末に一喜一憂する。


現実では得られない世界に作り物世界に飛び込んでは現実を求める。


どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクション?


叶わない夢は夢じゃない。


夢は叶わないから夢なんだ。


夢?妄想?現実?


孤独になるために、コミュニティに入り、集団で電車に飛び込む。


強制的にオンラインで繋がれた世界から離脱したくなる。


真実に疲れたから陰謀を暴く。


陰謀だと思えば現実の恐怖は薄れる。


実体のない物を誰かが作り、そのゴールに向かって皆役割を果たす。


社会、大人、世間、噂、全て存在するのにしていない。


今、僕の言葉は、水槽の中に入った脳によって紡がれている。


僕は、水槽の中に入った脳を客観的に見ている。


その脳を作り出したのは神様だ。


僕は、神様を信じていない。


少しのホットケーキミックスを足して固めた僕ら。


無宗教という宗教。


無駄を作るために合理化をする。


合理化でゆとりを作る。


ゴールがあって進む道を決めるのか?


道を決めた先にゴールがあるのか?


人生の終着駅は皆同じ。


終着駅の生き方は自由あるいは強制的。


病気、飛び降り、事故。


賽を振ったら、6が出た。


6マス進んだ先には何もない。


親に敷かれたレール。


レールから離脱してもまたレール。


開拓されていない土地はどこにも残っていない。


既存の物を特殊な調合で混ぜることによるオリジナリティ。


言葉の吐瀉物。


今日も自分に泥酔した奴の無鉄砲な言葉。


言葉は次々と鎌鼬の如く人を傷つけていく。


返ってきたブーメランは透明人間に当たった。


目を覚ましたら夢。


夢を見るために眠る。


0か1、妄想か現実か。


0.5の世界に飛び込みたい。


考えても、考えても答えなど出ない。



バウムクーヘンの中心に釘を打つようなものだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

バウムクーヘンの中心に釘を打つようなものだ。 いありきうらか @iarikiuraka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る