果たして君は、監視されていないと言い切れるか?

いありきうらか

第1話

果たして君は、監視されていないと言い切れるか?


君は、監視カメラを見つけたのかい?


君の後ろを誰かがつけているのに気づいていないのかい?


君の話声が、隣人に聞かれているとは思わないのかい?


君の考えなんて、大人からすれば掌の上だとは思わないのかい?


君は本当に自分の考えで行動できているのかい?


その行動は、誰かの発言によって動いたにすぎないのではないかい?


君のオリジナリティは、本当に他人の影響を受けていないかい?


誰かのオリジナリティに、君が思いついたものはないかい?


誰かの会話に、自分の過去の意見が含まれていないかい?



私は、私を監視している。


私を監視している監視カメラを通して、私が私を監視している。


私の後頭部がモニターに映っている。


モニターの中にはそれを監視している私の姿がある。


私の独り言を盗聴している。


盗聴した音声は、スピーカーを通して無限に鳴り続ける。


私が私を徹底的に監視しているのだから、私は誰かに監視されることはない。



…本当にそうか?


私が私を徹底的に監視しているところを誰かに監視されているのでは?


果たして君は、監視されていないと言い切れるか?

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果たして君は、監視されていないと言い切れるか? いありきうらか @iarikiuraka

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