第2話 チートゲットだぜ!


女神「それではナローシュには魔力チートを与えておきます、これでまず魔王クラスでもなければ負けることはないでしょう。ちなみに年齢と身体能力は現在のままですよ」


ナローシュ「ありがとうございます! 」


女神「よっぽどなことがない限りは大丈夫ですが、体調が悪ければ危ない目にあってしまうかもしれません。しっかり体調管理をしてご飯もしっかり食べるんですよ」


ナローシュ「わかりました」


女神「夜はしっかり寝ること、ハーレムもほどほどにすること。知らない人に向かって魔法を使って燃やしたりしてはいけませんよ」


ナローシュ「知ってる人になら魔法を使っていいのですか? 」


女神「昨日の仲間は今日の敵といいますから、知り合いならガンガン攻撃してOKです」


ナローシュ「それ、OKしちゃうんだ」


 ウインクをする女神とそれを見て若干戸惑うナローシュ。


女神「知らない人に攻撃した場合、実はコイツはいい奴だったじゃん! 後でレアアイテムくれる重要キャラだったじゃん。ということがあり得ますが、知り合いであれば役に立つかどうかは前もって判断できますからね。人を殺める前にはまずその人のことを良く調べるのが定石です」


ナローシュ「そんな人とは知り合いになりたくないですね……」


 ナローシュはため息をつくと、女神はニコリと笑う。


女神「さあ、ナローシュ! 血液型A型、誕生日九月一日おとめ座、十六才。趣味は独り言と妄想。異世界へ旅立つ準備はできましたか! 」


ナローシュ「女神様、ずいぶんと自分の情報について詳しいですね」


女神「それはナローシュをこの世界に呼ぶ前に調べまくりましたからね。その結果、ナローシュがこの世界に来ても大丈夫なことが分かったので、連れてきたのです」


ナローシュ「連れてきた? まさかトラック事故の犯人って……」


女神「私はナローシュを殺していないですよ。私はあのトラックの運転手さんが飲んでいたコーヒー缶の中身を気分が良くなる水にすり替えただけです」


ナローシュ「なんですか、気分が良くなる水って。危ない薬とかですか? 」


女神「あはは、そんな法律に違反するような危険なものではないですよ。ただのアルコールが入った水です。運転手さんが渋滞でイライラしていたようなのでリラックスになるかなと思いました」


 女神は舌を可愛らしく出しながら笑う。


ナローシュ「女神様、貴女はなんてことを……」


女神「さあ、選ばれし勇者ナローシュよ、異世界に降り立ち魔王を倒すのです! ちなみにお酒は二十歳になってからですよ、あと飲酒運転はダメ、ゼッタイにです! 」


 ナローシュの言葉は女神によって遮られる。そしてナローシュの異世界転生は始まるのであった。


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