勇者と魔王、同じ体に転生しました

飛個呂

第1章 最強2つの魂を持った者

第1話 2人仲良く?生まれ変わりました

 勇者レオナルドと魔王ガルダナス、もはや、残ったのはこの2人だけ。

勇者のパーティーメンバーも魔王の手下も、すべて力尽きて倒れている。


 しばらく、荒い息をしながら対峙していた2人だったが、突然、勇者が動いた。

ほぼ同時に魔王は、最後の魔力を振り絞り最大級の暗黒魔法を放った。

勇者の険は、確かに魔王ガルダナの心臓を貫いた。

だが、魔王の暗黒魔法も勇者の生命を奪ったのだった。



 およそ、1000年後の田舎町。

僕、勇者は、転生したようだ。

だが、同じ体に魔王の魂もいる。

なんという運命のいたずらだろうか。


 父さんの名は、マクレス、母さんの名は、セルリアーナ(略称セリーナ)という。

父さんは黒髪に銀眼、母さんは金髪碧眼。

そして、僕の名は、シルトバーム(略称シルト)、三人兄弟の末っ子として生まれた。

銀髪銀眼だが、彼(魔王)が暴走したときは、真っ赤な目になるらしい。

6歳上の兄さんトランダムル(略称トラン)と4歳上の姉さんニストリーナ(略称ニーナ)は、ともに銀髪碧眼だ。


両親は、凄腕の冒険者だったらしいが、母さんが兄さんを身ごもったのを機にやめたそうだ。

今、父さんは町の兵士長を、母さんは近所の子供相手に私塾ようなことをして、生計をたてている。

母さんが教えるのは、読み書きや算数だけではなく、素質のある子供には魔法まで教えている。


 僕が5歳になったころから、母さんは僕にも魔法の手ほどきをしてくれた。

僕への教え方は、他の子供たちとはまったく違った。

いかに魔力を押さえて魔法を発動させるかというものだった。

普通は、いかに魔力を引き出すかなのだが...。

魔王プラス勇者の魔力、僕の魔力総量を考えれば当然の教え方なのだろう。


 僕を妊娠して五ヶ月のころ、母さんの魔力は、爆発的に増加したという。

だが、それは僕の魔力だったようだ。

それに気付いた母さんは、魔力を押さえる方法を僕に教えてくれた。

胎盤を通じて僕の魔力を操作したのだった。

生まれたとき僕たちの魔法が暴走しなかったのは、そのおかげといえよう。


魔力だけでなく、スキルもすべて引き継いだようだ。

ただし、剣などのスキルは体力的に使えないのだが。


0歳時ステータス

名前 シルトバーム

職業適性 勇者・魔王

HP すこし/SSS

MP S/∞

攻撃力 なし/SSS

防御力 なし/SSS

精神力 A/SSS

知力  S/SSS

俊敏  なし/SSS


スキル

剣  使えない/SSS

体術 使えない/SSS

攻撃魔法全般 A/SSS

その他魔法たくさん


空間収納∞

鑑定S

魔力感知S

空間探知S

魔法詠唱破棄

その他スキルいろいろ

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