6話目・ひきこもりと私
次の日も宝箱の前に座ると、黙々とスキル上げを続ける。
【将来のビジョンをもって練習をやるかどうかで結果は変わる】
この偉い人の言ったことを座右の銘に、確固たる未来を目指して練習練習。
「飲み物と食事をお願い」
『はーい、ちょっと待ってくださいねぇ』
しばらくすると、机の上にコップに入った水と数枚のパン、あとスープが現れる。
「野菜も食べたいんだけど、サラダとかも出せる?」
『大丈夫ですよぉ。待ってくださいねぇ』
また少し待つと、小さな皿にキャベツみたいな野菜が盛られたサラダが出てきた。
私は出てきた食事に「いただきます」と手を合わせ、モシャモシャと完食した。
それからベッドで少し眠って、また宝箱の前に座りスキル上げを再開する。
この間延びした女性の声は本人が言うにはこの世界の女神らしい。
魔王が世界を壊す前に、魔王を倒すための勇者候補を異世界から呼んだらしく、それの一人になぜか私も選ばれたらしい。
そして、女神の力は直接的に世界に影響することは許されてなく、この始まりの町限定で力を行使できるらしい。
ダメもとで頼んだら、簡単な食事や飲み物なら頼めば出してもらえた。
そんなわけで、私は部屋から出る事もなくスキル上げに専念することが出来ている。
『スキルは順調に上がってますけどぉ、経験値を稼がないとレベルは上がりませんよぉ?』
女神さまが心配そうに声をかけてくる。
どうやら生産系スキル(
なので、たとえ生産系のスキルがカンストしようと、モンスターを倒さない限り弱いままという事らしい。
ちなみに、未だに部屋の外には一度も出ていない。
残り:15人
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