第12話全指名終了!選ばれし最強の18作品!
―しょじょターン
はいはい。当然よねえー。『ジョジョ』と『ドラゴンボール』両獲りなんだもん。いくらお約束とはいえ、リアクションするんじゃなかったわ。まあ、だからこそこっちも燃えてくるってもんだけどねー♪
「おいおい、まだまだ一位クラスの作品は山ほどあるぜ。あー、怖いなー。次に俺様が選べる時には四つ消えてるってことだもんなあー」
おおそうじが得意げに心にもないことをほざいてやがるわねえ。
「そうだよ。まず確実に今回選ばれる十八の作品は全て一位指名クラスだと考えた方がいい。って言うよりも確実にそうじゃないかな?」
アムロ行きますまで想定済みって感じ。そうなのよねえ。確かにまとめ系のサイトでも「こいつが最強」ってキャラや作品は二十や三十じゃきかなかったのよねえ。『ドラえもん』を獲得したあたしが次に指名するとしたら…、『ラッキーマン』か『キテレツ大百科』の二択。『桃鉄』、『UNO』、『人生ゲーム』は下位でも獲れるはず(アムロ行きますだけは油断できないけど…)。でもアムロ行きますが次に二つ選ぶ…。一位に『クトゥルフ神話』を選んできた時点で全く読めないだわ。ここは絶対に『ラッキーマン』と『キテレツ大百科』の両獲りは出来ないと思って確実に欲しい方を指名しておくべきよね。『ドラえもん』との両獲りも理想でもともと『ドラえもん』の保険だった『キテレツ大百科』よりもここは『ラッキーマン』を指名するのが当然か…。
「ここは考え込むところ?俺様なら当然『ラッキーマン』いくけどね」
「おおそうじ君。『ドラフト』がそんな単純なものではないことぐらい分かってるだろ。しょじょさんはとんでもない合わせ技を考えてるかもだよ。まあ、僕なら当然『ラッキーマン』だけどね」
こ・い・つ・らー。
「あたしに秘策あり!」
あたしはラインの送信ボタンを押した。
既読。
「ラッキーマン」
「あれ?本当に『ラッキーマン』だぜ。まあ当然だな。『ジョジョ』と『ドラゴンボール』対『ドラえもん』と『ラッキーマン』。これだけでもすげえバトルになりそうじゃん。まあ、スピード系で悟空一人でも勝つかな?」
おおそうじは「どこでもドア」を舐めてるんじゃないの?「石ころぼうし」を「ラッキーマン」が被ることは楽勝じゃない?それとも「気」で探る気?分かってるのかな?こいつは。
「おおそうじ君。僕の考えだとその戦いはしょじょさんに分があるように思えるけどね」
「それぐらい俺様にも分かってるぜ。冗談だよ。『ドラえもん』の恐ろしさに『ラッキーマン』だぜ。こいつはやべえぜ。スタンドも月までぶっ飛ぶこの衝撃ってやつだぜ」
やっぱりおおそうじはあたしを舐めてる。究極のご都合主義能力を身に付けたドラえもんの恐ろしさを思い知らせてやるだわあああああああああ!
「じゃあ、僕の番だね。二位と三位を選んでいいんだよね。それじゃあ、二作品続けて指名するから。今ラインで送るよ」
既読
アムロ行きます「キン肉マン」
アムロ行きます「キテレツ大百科」
「へえー。『キン肉マン』は俺様も狙ってたけど、『キテレツ大百科』をここで指名してくるとはねえー」
おおそうじは『キテレツ大百科』まで舐め切ってるの?あたしには分かる。アムロ行きますは優先権があるから三位に『キテレツ大百科』を指名したけれど二択なら『キン肉マン』より先に選んでたはず。今のところ…、蘇生系を持っているのは…、「神龍」が使える『ドラゴンボール』を指名したおおそうじのみ。
「次、しょじょの番だぜ。また考え中?アムロ行きますはポンポンと選んだぜ」
うるせーな。こいつはあ(怒り)。ここはもう決まってるんだから。
「はいはい。じゃあ三位指名いくね」
あたしはラインの送信ボタンを押す。
「ドラゴンクエスト」
「『ファイナル・ファンタジー』じゃなくやっぱ『ドラクエ』できたかあ。くっそー、俺様も狙ってたのに直前で獲られちゃったぜ」
おおそうじが相変わらずあたしを舐め切ったように言った。
「いや、RPGの中ではかなり万能で抜けてると思うよ。『ドラクエ』は。呪文もそうだけどモンスターが仲間になるようになって特技の概念もあるからね。『ラッキーマン』がいるから攻撃も必ず会心の一撃になるし、物理攻撃はまず効かない。『ファイナル・ファンタジー』の『ジョブ』も魅力的だけどここは『ドラクエ』が分かりやすいし。『ラッキーマン』の能力を竜王、シドー、ゾーマたちが持つってことはかなり厄介じゃないかな。個人的には『ドラゴンボール』と『ドラクエ』の組み合わせも見たかったかな」
ありゃ?そっかあ。ラスボスも使えるってことじゃん!ぐふふふ…。これ、今の時点であたしに負ける要素ある?『UNO』と『人生ゲーム』のどちらかを『ファイナル・ファンタジー』に変更しようかなあー?いや、ダメダメ!どちらも「スーパー神龍」クラスの力を持ってんだから。とりあえず二人の動き次第ってとこもあるし。この後、おおそうじが二つ何を選んでくるか?
「じゃあ、俺様が三位指名、四位指名するぜ。うーん、さすがの俺様もここはちょっと考える時間をもらうぜ。スピードワゴンはじっくり考えるぜ」
…。こいつの『ジョジョ』愛は…。いや、そんなことより今現在のそれぞれの指名作品をまとめると…。
おおそうじ・『ジョジョの奇妙な冒険』、『ドラゴンボール』。
アムロ行きます・『クトゥルフ神話』、『キン肉マン』、『キテレツ大百科』。
あたし・『ドラえもん』、『ラッキーマン』、『ドラゴンクエスト』。
あたしもかなりいい指名が出来てるんだけど…。『クトゥルフ神話』の「アザトース」は『ラッキーマン』と「ラリホーマ」で毎ターン眠らせておけば封じれるとして…。時間系も『ジョジョ』には豊富にいるし、『キン肉マン』にも「ミスターVTR」がいるでしょ…。でも『ドラえもん』にも時間系の道具は充実してんだよねえ。素早さも『ドラクエ』でなんとかなると思うんだよねえー。ま、今のところは想定の範囲内。ここからの指名で対応も変わってくるし。おおそうじは大体予想出来るんだけど…、アムロ行きますは絶対とんでもないのを指名してくるはず!
「またせたな。じゃあ、俺様の三位指名、四位指名。いくぜ」
おおそうじ「とある魔術の禁書目録」
おおそうじ「ゲットバッカーズ」
やっぱり…。こいつはまとめ系サイト読みすぎだわね。一方通行に赤屍さんかあー。元野球部のくせしてバランスというものを考えてるの?四番バッターを並べて、つーか、この『ドラフト』はそんな単純なもんじゃないっつーの。
「いいねえ。その辺は必ず指名されると思ってたけどおおそうじ君が今のとこほとんど抑えてるね」
「俺様は『ドラえもん』と『キテレツ大百科』を獲れなかったんだぜ。今のところまだ満点ドラフトとは言えねえな」
「へ?その言葉、聞いたことあるわ。どういう意味?」
あたしはその響きのいい言葉に興味を持った。
「プロ野球の『ドラフト会議』で評論家がそれぞれのチームの『ドラフト』結果に点数をつけるんだよ。偏った指名とかさあ、いい若いピッチャーが揃ってるのにピッチャーばっかり指名したり、弱点を補えていない指名だと点数が低く評価されたり。チームの欲しい戦力をバッチリ獲れたドラフトを『満点ドラフト』って言うんだぜ」
「へえ。じゃあ全指名が終わった後におおそうじ君には今回の『ドラフト』に点数をつけてもらうかい?」
「それもいいけど、『ドラフト』の本当の結果が分かるのは三年後って言われてるからなあー。こればっかりはバトルしてみねえと分かんねえだろなあ」
「だよねー。でもこの『ドラフト』は確実に能力が分かってるからね。しょじょさん、四位指名よろしく」
きたきた。ここからがあたしの真骨頂だわ。いっくよー♪『ラッキーマン』を獲得したあたしだからこそ無双する作品!ライン送信!たまげろ!
「桃太郎電鉄」
「え?『桃鉄』?キングボンビーを召喚するつもりかあ?」
「おおそうじ君。これはかなりやばいよ。『桃鉄』のカードを検索してみなよ」
「『桃鉄』のカードって、新幹線とか…、ちょっと待てよ…。なんだこれ…!」
「しょじょさん。かなり恐ろしいことを考えてきたね。しょじょさんらしいと言うか。これは倒しがいがあるよ。面白いね」
「そうかあ?俺たちはすごろくで戦うわけじゃねえんだぜ。『おならカード』なんか『ドラクエ』のバシルーラみたいなもんだろ?」
クックック。アムロ行きますはともかくおおそうじはまだあたしの狙いを理解してないわね。そして『多数決』でアムロ行きますはあたしの考えを肯定するのも確実。この『ドラフト』は負けられない!おじいちゃんの名に懸けて!!
「じゃあ次は僕が四位指名と五位指名を続けていく番だね。じゃあ送るよ。ほい」
アムロ行きますは本当に早いわねー。そんなに簡単に決めれるもんなの?
既読。
アムロ行きます「グーグル」
アムロ行きます「ウィンドウズ」
「は?なんだこれ?お前、これって作品でも能力でもねえじゃねえか」
あたしもアムロ行きますは普通じゃないとは思っていたけどこれにはたまげた。どゆこと?
「ちょっと待って。『グーグル』ってあの『グーグル先生』の『グーグル』?」
アムロ行きますは何を企んでるの?
「おいおい。調べものかあ?それに言っとくけど『ウィンドウズ』でネットに出てくる作品を使うってのはなしだぜ。そんなの認めたら無限に作品選べることじゃんか」
「そんなことはしないよ。ああ、これじゃあ分かりづらいね。『グーグル』と言うより正確には『グーグルプレイストア』だね」
「あ!分かったぜ!お前、ソシャゲ使い放題狙いだろ!」
なるほどね!でも…、『ウィンドウズ』は?
「まあ、そういうことかなあ。まだ『アップルストア』は残ってるから同じ考えなら指名してもいいよ。『ウィンドウズ』も似たようなもんかな。使えるソフトがあってね。同じように『マック』を指名してもいいし」
「ソフトってエクセルやワードじゃないだろ?なんだ?」
「それを今言ったら面白くないし。ただ一つだけ言っておくなら…、今の僕を倒すのはほぼ不可能になったかな」
「俺様でも勝てないってか?」
「うん。そう思う」
「おもしれえ!アムロ行きます!お前が何を企んでるか分かんねえが俺様がぶっ倒してやるぜ!しょじょ!次だ!」
次って言われても…。『グーグルプレイストア』に『ウィンドウズ』?ソシャゲに無双ゲームってあったっけ?確かに課金なら『ラッキーマン』がいるあたしならレアカードも余裕で一発ゲットだけど…。でも最初に決めたルールではその作品の全てを使える、『ドラゴンボール』なら初期の悟空も最新作の悟空も使えるのよね。その理論なら課金の概念はない訳だし…。ここは『アップルストア』行くべき?ダメダメ!初志貫徹!あたしの残り二枠は変更なし!ライン送信!
「UNO」
「はあ?『UNO』ってあの『スキップ』、『リバース』の?」
「そだよー♪」
あたしは能天気に答えてやった。
「あ、やっぱり獲られちゃったか。そんなに甘くないよね。流石しょじょさん」
「なんだと?そんなに『UNO』って強いのか?」
「『スキップ』、『リバース』使われ続けたらおおそうじ君のターンは永遠の回ってこない可能性も普通にあるじゃない?」
「(アムロ行きます…、それ以上喋るなー!)そういうこと。さあ早く次!」
「さあ、あと四作品で指名終了だよ。まだまだすごい作品は山ほどあるね。おおそうじ君が五位指名と六位指名でしょじょさん、僕で『ドラフト』の指名は終わり。うん、やっぱり一人六つと決めておいてよかったね。キリがないでしょ?」
「そこで『UNO』を選ぶのが不気味なんだよなあ。しかし!俺様の指名は全て想定通り!!満点ドラフトだ!いくぜ!俺様の五位指名、六位指名はこれだあ!」
勝ち誇った表情のおおそうじからラインが届く。
既読。
おおそうじ「天元突破グレンラガン」。
おおそうじ「ダイの大冒険」。
「『ドラクエ』の世界を漫画化し、かつ、本家にも影響を与えた『ダイの大冒険』なら『ドラクエ』で使われている能力はほぼすべて使えると言う解釈で俺様は指名したがそれでいいよな?アムロ行きますよ」
「まあ、場面場面で多数決にはなると思うけど、おおそうじ君の理屈はまさにその通りだと思うな。まさかRPG系の能力を『ダイの大冒険』で獲得してくるとは驚きだよ。それに『グレンラガン』を指名したのも流石だね。正直に言うと僕も狙ってたよ」
へ?あたしはその『グレンラガン』って知らないわよー!何よ!何なの!?調べたいけれど、そんな時間の余裕はないー!あたしの最後の指名の順番だわ!また遅いだのうだうだ言われたくない。初志貫徹!おじいちゃん!見ててね!あたしの生きざまを!
「じゃあ、あたしの六位指名。ほい」
「人生ゲーム」
「へ?『人生ゲーム』って、あのボードゲームの?お前は家を建てたり、金を儲けたりすんの?」
「しょじょさんは『ラッキーマン』を指名してる。この組み合わせがとんでもない強さを発揮するかもだよ。最後の一枠の意味ぐらいみんな理解してるだろ?じゃあ最後に僕だ。最後まで残っていてよかったよ。じゃあ送るね。僕も満点ドラフトだ」
既読。
アムロ行きます「デスノート」。
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