第4話国民栄誉賞をとらない女の子
―しょじょターン
あー、畳は一番落ち着くわあ。
あたしぐらいの今どきの女の子は部屋に好きなアイドルのポスターを貼って、机には自分専用のノートパソコンがあって…。な、はずなのにねえ。今どき、自分の部屋が畳で机がコタツってどうゆうこと!?まあ、大好きなアイドルの〇〇君のポスターを貼ってるのをおじいちゃんに見つかったらまたとんでもないことになるからなあ。あたしは「国民栄誉賞を取る少女」かい!?って、そんなこと言ってる場合じゃないわね。「ドラフト」よ。「ドラフト」。あたしには唯一、お母さんから与えられたスマホがあるじゃない。これを活用するしかないわね。
あたしはコタツの下に両足を放り出し、長年愛用してきた座椅子を「考える時モード」の角度である四十五度でスマホを弄った。「デスノート」のエルがソファーに体育座りが一番頭の回転がよくなるってセリフはあながちありだと思ってる。学校のテストでも椅子をバランスよく同じ角度にした時の方が結果もいいんだよねえ。でもバランスを崩して思い切り後ろにひっくり返ったことも、試験官にカンニング疑惑をかけられたこともあるから家でしか使えないんだねえ。
設定ねえ。
確かにおおそうじの言う通り、「ジョジョ」だけでかなり強いんだけど…。今は「時を止める」系や似たようなキャラやチート能力も結構出てきてるのよねえ。アムロ行きますならパーティも多くて四、五人…。「ドラフト」も同じぐらいの数までの縛りは当然作るはずよねえ。てか、そうしないとターンがいつまでも終わらないし。え?「ターン」?三人でバトルってことなら当然順番に攻撃よね?そしてそれを攻撃されたものが防御なり回避するわけよね…。てことは…、おじいちゃんに昔からよく付き合わされた「UNO」ってすごくない?「スキップ」で順番飛ばしでしょ?「リバース」で強い相手に順番を回さないことも出来るじゃん!えっとー、「UNO」っと。
あたしはそいつを見てたまげると同時に、ものすごい発見に至福の喜びに満面の笑みを浮かべてしまった。
『白いワイルドカード三枚』(自分だけのオリジナルルールを作っちゃおう!)
なにこれえ!これあればどんなすごい能力も三回まで全て封じ込めちゃうじゃん♪いや、三回目に「また、三枚に戻す」って書けばエンドレスよね?あの二人が「UNO」を選ぶとは考えられないし。結構下位指名でも取れるんじゃない?そう言えば他にも「人生ゲーム」も狙い目かも。おじいちゃんにいっつもめちゃくちゃにやられてた記憶が。「桃鉄」も確かあたし、おじいちゃんに勝ったことって一度もないんだよねえ。おじいちゃんって「一」を確実に出せるんだよねえ。何故か。あれって必勝法があるんだよねえ。え?ナニコレ?
あたしはスマホの画面を見てまたまた驚きあーんどニンマリ。
『世界に一つだけ。あなた専用の人生ゲーム作ります』
て、こ、と、は?自分に都合のいい好きなことを書けるってことじゃない?
「ゴールドエクスペリエンス・レクイエム無効」もありじゃない?それどころか「ゲットバッカーズ」の赤屍だろうと「創生」だって封じ込めれるじゃーん♪これを「ラッキーマン」がプレイすればえらいこっちゃだわー。問題は…、おおそうじは単純だからいいとして、アムロ行きますはここまで読んでくる可能性はおおありかも…。明日のルール設定の段階であたしの狙いをバレないようにしなきゃだわね。「ドラフト」当日、まさにその瞬間までバレないようにしなきゃ。あとは必勝法をもっと練り込んで、今の「桃鉄」のカードってどんなのがあるのかなあ?
スマホを弄っていると大声と共に背後の襖が開かれた。
「すけこぉ!今日も勝負するぞお!!」
「おじいちゃん!あたしの部屋に入る時はノックしてっていつも言ってるでしょ!」
そんなのお構いなしにおじいちゃんがスーパーファミコン版の「桃鉄」を自慢げに右手に持って高々とあたしにそれを掲げた。それよ!それそれ!
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