episode 2 お月さまは、お日さまがキライ? 

 「パパ。いていい?」

「なんだい、一歩いっぷ

「おさまとおつきさまは、なかわるいの?」

「どうしてかな、一歩いっぷ

「だって、おつきさまは、おさまがいるときにはいなくて、よるになっておさまがいなくなると姿すがたせるから」

「そうだね。昼間ひるまはあんなにまぶしいおさまは、よるになるといなくなるし、昼間ひるまかくれているおつきさまはよるだけるね。でも、なかわるいんじゃなくて、ホントは仲良なかよしだとおもうんだ、パパは。きっと、かくれんぼをしているんだよ、一歩いっぷ

「かくれんぼか~。じゃあさ、パパ。どっちがおになの? おさまとおつきさま」

「パパには、むずかしいなぁ。一歩いっぷは、どうおもう?」

「ボク? ボクは、おつきさまがおにだとおもう」

「どうしてだい」

「だって、だれげないのに、おにっかけるってへんでしょ」

「なるほど~。おさまがげるのか。そう言えば、夕日ゆうひしずむのはあしはやいもんな~」

「ア・ハ・ハ・ハ・ハ。それにさ、こわ~いおににはよるほう似合にあうでしょ」

「こりゃ一本取いっぽんとられたな。ア・ハ・ハ・ハ・ハ」

一本いっぽん、それまで!」

「なるほど、一本いっぽんだな。よーし、一歩いっぷ。ママが晩ご飯作ばんごはんつくってってるから、あの夕日ゆうひかってけっこだ」

「いいよ。じゃぁ、よーい、ドン!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る