感情は爆発だ

神城ハクア

日記① 個性のグラデーション

何気ない日常に色を付けたい。

そんな事を思いつつ私は毎日を平然と過ごしている。


私は多汗症である。それ故に電車に乗るのが億劫に感じる。


大人は其れを個性とだから仕方ないと言うかもしれない。


ただ私は、個性とは人それぞれ持っていて、その個性を持っている人にしかわからない苦労があると思う。


しかも、そのほとんどは他人からは嘲笑され

流されて終わる。


世知辛い。世知辛い。




今日は雨が降っていた。梅雨らしい。

益々億劫になる気持ちを抑えて電車に乗った。


他人の目を気にしながら窓辺から外景を覗く。毎日の日課。


遠くの方に青紫色の紫陽花が咲いているのが見えた。綺麗だった。



対照的だな自分とは。



そんな事考えつつ、電車を降り学校へ歩く。


道端に生えている紫陽花を見つけた。


電車で見た紫陽花によく似ていた。

でも所々緑がかっていたり、枯れて茶色く変色している箇所もあった。



私は思った。これはこの紫陽花の個性なんだと。


其れと同時に、個性は遠目から見ると分からないけど、こうやって目を凝らしてみるとはっきりと分かることに気付いた。


つまり、自分は自分自身の個性を一番分かっていて、ほとんどの他人は自分の個性の側面しか分かっていないということだ。


私はこの紫陽花の方が電車で見たものより綺麗だと思った。

電車から見たものは青紫色単体に見えたが、この紫陽花は緑→青紫→茶とグラデーションがかかっていてより綺麗思え、生命の儚さ等も感じられた。


個性も紫陽花のグラデーションのように誰一人として同じものはない。



諸君に理解してもらいたい。


私は個性はグラデーションのように漸次移り変わる。だからこそ今諸君が持っている個性を愛し、他人の個性を尊重できる心を大事にしてほしい。









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