黒き太陽

かつて秋の針葉樹林で

私の車は斜面から落ち

私は折れた足を引きずり

髪から血を滴らせつつ

黄昏に怯えながら歩み始めた


我が左右には立ち枯れた木々が並び

果てしもない林道の先に昇るのは

ああ、いつの間に夜は明けたのか

爛々らんらんと千の光を放つ黒き太陽


黒き太陽の照らす森は白い霧にかす

名も知らぬ鳥が鳴きながら頭上を行き来し

黒き太陽の下で私は歓喜に打たれ

我が血を吸い込むこの大地こそ、胸をかきむしり求めた故郷


しかし息を切らせて歩みを進めれば

森も、大地も、太陽すら白い霧に融け

キャンプで目覚めた私の耳には

小雨がテントの布を打つ音が響いていた

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