第4話 プテロートの街①
眼下に広がる街へと降りて行く。
服も靴も動きやすい素材で、剣と盾もそれなりには使えそうだ。
服の中を探るとご丁寧に収納袋まであった。
情報を見てみると
服:
普通の少年用の服、動きやすい素材である
快速の靴:
少し速く走れる靴
女神の剣と盾:
加護を持ったものだけが扱える聖剣
それぞれ、使用すると攻撃力、防御力が倍になる。
無限の収納袋:
無限に物が入る袋
うん?
思ったよりチートじゃないか?
服と靴はまだわかるけど、剣と盾はヤバイな。
倍になるとか、今のステータスでも見たところやばそうなのに、倍だよ?倍。
収納袋もしれっと無限収納だし。
めちゃくちゃ恵まれてるよ、これ……
街道に出て、沿って歩いて行く。
入り口には門番と思しき人物が立っており、入国審査のようなもの(正確には入街審査か)が行われている。
審査の列に並んでみる。
こうして周りを見渡すとやはり大きな街のようで、種族でいえば人だけでなくエルフや獣人、職業でいえば、冒険者のような人から商人のような人まで、それはそれはたくさんの人がいる。
列はスムーズに進み、僕の番が来た。
「ステータスを見せてくれ」
普通にステータスを呼び出せばいいのかな?と思いながら出してみる。
というか、ちゃんと会話できてる。
異世界なら言語違うかと思ってたけど普通に通じるのな?
女神様がなんかやってくれたのかな?
門番と思しき人物は浮かび上がったステータスを確認する。
どうやらこれで良いようだ。
「ふむ、前科も手配も特になし、と。君、年の割に随分と体力があるな?」
「え、ええ、鍛えてたので」
「そうか、ゆっくりしていってくれ」
門番と思しき人物はそう言って通してくれた。
いや、体力のこと突っ込まれて焦ったよ。
彼らは仕事柄、個人情報はあんまり詮索しないようになってるのかもしれないけどね。
というか、ステータス見て犯罪者かどうかわかるんだな?
不思議だ。
門から街の中心へとつながる道を歩いて行く。
街道を歩く人は多いが、店はあまり見当たらない。
というか、街自体にあまり活気がないように見受けられる。
すれ違う人の顔が心なしか暗い。
よく分からないが、まずは情報を集めたいな?
ギルドに行くか酒場に行くのが定番だが……
この世界ってお酒は何歳からなのだ??
その疑問はすぐに解決された。
酒屋と思しき店の前を通ると、店のおかみさんに声をかけられた。
「そこの坊ちゃん、酒はどうだい?」
お、チャンスだ。
「この街ではお酒って何歳から飲めるんですか?」
「何歳から飲めるかって?飲みたい年から飲み始めればいいのよ。坊ちゃんもそうやって育ってきたんじゃないの?」
「いえ、ちょっと遠い国から来たもんでして……年齢制限があったんです」
「そうなのかい!ここ、プテロート……というかローテン王国全体では15歳からってなってるねぇ」
お、国の法律的にも僕の年なら飲酒は大丈夫な感じか?
「でもねぇ?子供でも酒は飲まないとやってらんないよ、全く……」
「そうなんですか?」
「ん?そりゃそうさー……酒でも飲まないとやってらんないくらいの暮らしさ。
王様とやらはたくさん税金を取り立ててくるし、役人も汚れてる。
美しい娘の噂を聞くとすぐに使者が飛んできて王宮へ来いと言う」
なるほど、乱れてるなぁ?
「全く……何とかして欲しいわ、希望もなんもない、
虐げられてるだけの、ただの無意味な暮らしが続くだけさ
これでも、わたしゃ昔は美人でね?
顔見られて王宮に連れて行かれないようにビクビクしながら暮らしてたさ。
何でも宮仕えとは名ばかりで王様の好き放題に遊ばれるらしいしねぇ……」
なるほど?これは平和な世界とは言えませんね??
成敗する目標が決まったかな。
「長話に付き合わせて悪いね……お酒一本安くしとくよ?」
銀貨二枚でお酒を購入し、収納袋に入れる。
とっかかる部分は分かった。
あとは詳しい情報を手に入れて、 綿密な計画を立てて色々やっていこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます