夜(監禁中)
口も目付きも大変物騒だが隣に横たわる美青年はいつだって礼儀正しい。煌めく金髪、スタイル抜群の体を真っ直ぐ伸ばし、決して寝相や鼾でドロップの眠りを邪魔したりもしない。まるで精巧な等身大の
それでも、布団の中は二人分の体温でいつもより温もっている。それが何物にも代え難いものだという事を、家から全く出られなくなっているドロップは痛感している。
「今の仕事、難しい?」
「まぁね。けどやりたくて始めた事だから」
「すごいじゃない」
「ただの自己満足よ」
「それでも私はすごいと思うよ」
その後リンドウは小声で何かを口の中で呟いていたが、聞きとれなかった。空中を見上げるペパーミント色の目線は虚ろだった。
「……そろそろ寝ようか、明日も早いんでしょ」
「……そうね」
「……明日起こして。卵焼き作るから」
「……おやすみなさい」
ちぅと頬にキスされる。これは生家の習慣か元カノ仕込みなのかと思いながら、ドロップは形のいい頭を撫でて瞼を閉じた。
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