N3話 戦う方が大変

「あの冒険者タローってやつ、すんなり乗ってくれたな」

店主が事の運びの順調さににんまりしていると、村人がやってきた。

「良かったっすね」

「うまく行くもんだな。アハハ!!」

村人は忘れてと言わんばかりに、目を見開いて、

「あのイベントって最低でも2人以上で参加じゃなかった気が、、、」

「そうだった!!ヤバいぞ、どうする?」

「こうなったら、宿屋常駐の戦闘係から借りてくるしかないっすよ」



-宿屋

「どうしたんですか?」

「良いところにいたぞ、看板娘。戦闘係を二人ほど貸してくれ」

「急にですか!?」

看板娘はペラペラと勤務表を見ながら、

「一人だけですね。ダイジニさんがいらっしゃいます」

「呼びましたかぁ」

仮眠室からダイジニが出てきた。ラフなタンクトップ姿で、いかにも寝起きという感じだ。

「とりあえず、服着てくださいよ。風邪引きますよ!」

「大丈夫だよ、村人くん。私に戦って欲しいんでしょ」

「はい、まぁ」

そう言ってダイジニは、更衣室へ行ってしまった。

「こうなると、あと一人をどうするかだな」

「ガンガンさんでもいたら良かったのに」

「いないのか」

「はい、一週間前からです」

「そうか」

村人も解決策を絞りだそうと、目をつぶる。そして開くと、店主と目が合った。店主はニッコリ笑うと、

「お前行けるんじゃないか?」

「え、、俺っすか!?」



-数分後

「見た目もパンクにしたし、これでOKだろ。バレないバレない」

「第一、俺の顔を覚えている人すらいませんよ」

「俺、

一瞬、その場が凍りついた。その後、店主は焦りながらも、

「ドンドン行けば大丈夫だろ!“こうげき”しか使わなきゃ、良いんだよ」

「バレなきゃ良いっすけどネ」

呆れながらも村人改め“ドンドン”は、店主とダイジニと共に武器屋へ急いだ。

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