西のダンジョン編

第79話 急展開

「ガァララ!!」


「ヴァァ……」


リュキが放った魔法により40階にいたボスであるトロールが焼け死んで魔石になった。


「パパ!見て見て!倒したよ!」


「頑張ったね。おつかれさま」


ダンジョンに入ってからモンスターは全てリュキに倒して貰っている。これは俺が楽したいがためではなく、ナービにリュキの強化も必要と言われたのでそうしているのである。



「宝箱の中身は……また武器か…」


『武器!?喰いたいなぁ…?』


「…喰っていいよ」


『ありがとう!ご主人様大好き!!』


今までのボスの宝箱からは武器や防具しか出ていなく、欲しているスキルの書は出てきていない…

一応野良の宝箱からはスキルの書が2枚出たが自動HP回復速度上昇と自動MP回復速度上昇だった。もちろんそれは覇王に統一された。地味にうれしいスキルだから文句も言えない。


「次はスキルの書が欲しいね」


「はい。そうですね」


そう言って41階層に向かった。



「ナービ?これって…」


41階層に入った瞬間にあることに気がついた。それによって今までは前で乗り気でモンスターを葬っていたリュキが俺の首に戻ってきて震えながら巻きついている。


「48…いや49階層ですね」


「そうか…」


そう言うと怯えて出てこないモンスター達のおかげで一切戦闘をすることなく49階層に向かった。






「よう!待ってたゼ!!」


49階層に入って少し真っ直ぐ進んだところにそいつはいた。


「そうか。待たせたな」


「大丈夫ダ!ぼーっとするのには慣れてル!」


声をかけてきた者にこちらも声をかけ返した。


「ステータスを見てもいいか?」


「もちろんいいゼ!!」


そう言うと自分からステータスを見せてきた。





【名前】  

【種族】  獣人(狼)

【年齢】  1  

【レベル】 MAX    

【ランク】 SSS-


【HP】   80000/80000

【MP】   10000/10000


【攻撃】  9000  

【防御】  7000   

【魔攻】  2500  

【魔防】  2000   

【敏捷】  9000   

【運】   64       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX


【エクストラスキル】

・獣王Lv.MAX・怠惰Lv.5


【称号】

・戦闘狂

・獣王

・怠惰

・獣人歴代最強



このダンジョンにいたのは獣人だったようだ。

しかしなぜこんな所に獣王がいるのだろうか…



「少し頼みたいことがあるのだがいいか?」


「とりあえず聞いてはやるゼ」


そう言うと会ってすぐのことだが俺はコボルトの事などを話してそれで協力してもらえないかと頼んだ。



「2つ条件をのんでくれたらいいだろう」


「条件とは?」


すんなり協力するとは言われず、もし協力すると言われても条件を多くのむ必要があると思っていたので2つというのは驚いた。


「まず俺に名付けをしロ。できるよな?」


「ああ、それは問題ない」


確かにコボルトのような敵と戦えと言われているのだから少しでもパワーアップはしたいだろう。


「それともう1つは俺と全力で戦え」


「全力?」


「ああ、もちろん相手を殺す気で殺れってことダ。だが降参やもう戦闘不能と判断されればそれ以上の追撃はなしダ。それで俺に対して健闘出来ればコボルトを手伝ってやル」


「俺が勝てないと言っているように聞こえるが?」


「今戦えばまず負けるだろうナ。だが名前が付いたあとなら負けねェ」


ということはこいつは俺との今の実力差も考えてネームドになれば勝てると確信して言っているということだ。


『ナービ?どうする?』


ここで俺だけの判断では正解を確実に選べる自信がなかったのでナービに判断を仰ぐことにした。


『この提案を受けて問題ないと思います。仮にこの獣王に負けたてもデメリットは少ないので大丈夫だと思われます』


ナービはそう言ってその後もちろんと付け加えて続きを話し出した。


『もちろん、私のマスターは負けたりしませんから関係ないですよね?』


『当たり前だ』


ナービにここまで言われたら負けることは許されないだろう。


「いいぞ。名前を付けてやる」


「そう来なくっちゃナ!」


そう言うと全力で名前を考えた。


「それじゃあお前の名前は……」


名前を言うと獣王は光り始めた。



「ほう…ありがとナ!!」


そう言うとまた自らステータスを俺に見せてきた。




【名前】  ロウ

【種族】  獣人(地獄猋)

【年齢】  1  

【レベル】 1    

【ランク】 SSS


【HP】   120000/120000

【MP】     0/0


【攻撃】  14000  

【防御】  11000   

【魔攻】  0  

【魔防】  ∞   

【敏捷】  12000   

【運】   64       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX


【エクストラスキル】

・獣王Lv.MAX・怠惰Lv.7・魔法無効


【称号】

・戦闘狂

・獣王

・怠惰

・獣人歴代最強

・幻獣

・ネームド

・覇王の眷属



『地獄猋とはケルベロスのことです』


俺が心の中で地獄猋ってなんだ?と思っているとナービが解説してくれた。

ロウの姿の変化は灰色だった長髪と頭から生えている耳と尻尾が黒く変化しただけで頭が3つになったという変化は無い。


『魔法無効……』


ステータスを見てまず目に付いたのはそこだった。


『魔法無効には欠点もあります』


魔法無効の欠点はMPと魔攻が0になってしまうのと直接的な魔法以外は効果はあるそうだ。例えば魔法で凍らせた地面には滑るし、魔法で吹っ飛ばして壁に叩きつけたら壁にぶつかった衝撃はダメージに入るらしい。だとしても魔法が効かないのはやばい。

ちなみに、ロウには覇王の眷族という称号が魔族達とは違って無いが、それは俺の事をまだ認めて居ないからだそうだ。


「よーし、それじゃあいくゾ?」


「ちょっと待て」


今すぐにでも進化した力を試したくてうずうずしているところで悪いけど、戦うのはもう少し待ってもらって俺は自分のステータスをロウに見せた。


「あ゛?てめぇなんのつもりダ?」


進化したロウのことをなめてこんなことをしていると勘違いしてキレかかっているので早く訂正することにした。


「これは殺し合いじゃない。お前はステータス全てを晒しているのに俺はステータスを開示してないのはフェアじゃないだろう?」


そう言うとロウは怒りの顔からだんだん笑顔になっていった。


「そういう奴は嫌いじゃないイ!!さっさと始めよウ!!」


「そうだな!!」


そう言うと俺とロウはお互いに向かっていった。向かう途中でカグロをガントレットにしてロウが打ち出してきた右拳に俺の右拳を放った。








【名前】  リュキ

【種族】  幼龍

【年齢】  0

【レベル】 66  (65UP)

【ランク】 S-

【ランキング】 2位


【HP】   23800/23800 (7800UP)

【MP】   18500/18500 (6500UP)


【攻撃】  2700   (1300UP)

【防御】  2535   (1235UP)

【魔攻】  2700   (1300UP)

【魔防】  2535   (1235UP)

【敏捷】  2865   (1365UP)

【運】   92    


【スキル】

・ひっかくLv.7(2UP)・火炎魔法Lv.7(2UP)

・暴風魔法Lv.7(2UP)・水流魔法Lv.7(2UP)

・岩石魔法Lv.7(2UP)・暗黒魔法Lv.7(2UP)

・光明魔法Lv.7(2UP)・雷電魔法Lv.7(2UP)

・氷結魔法Lv.7(2UP)・詠唱省略Lv.5(3UP)

・無詠唱Lv.8(3UP)・連携Lv.5

・高速飛行Lv.8(3UP)・擬態Lv.MAX


【ユニークスキル】

・剣聖Lv.4(1UP)・斧聖Lv.3・槍聖Lv.3

・盾聖Lv.3・鞭聖Lv.3・刀聖Lv.4(1UP)

・槌聖Lv.3・棒聖Lv.3・武聖Lv.4(1UP)

・弓聖Lv.3・鎌聖Lv.4(1UP)・龍気Lv.4(1UP)

・時空魔法Lv.3・重力魔法Lv.3・磁気魔法Lv.3

・混沌魔法Lv.3・虚無魔法Lv.3・全耐性Lv.3

・再生Lv.3・電光石火Lv.5(2UP)


【エクストラスキル】

・龍魔法Lv.2・龍眼Lv.2


【称号】

・ユニークモンスター

・龍種

・無限の可能性

・ネームド

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