第57話 使い道

ドシンッ!ドシンッ!


恐らくトドメを誘うと竜王達がこっちに向かってきている。だから早く取得したスキルを使わないと…


「マスター!なんで『強制進化』なんてスキルを取得したのですか!?それはレベルがMAXになった人間がさらに強くなるために1回だけ無理やり進化するためのスキルですよ!?」


ナービが何か言っているのはわかるがやはり聞こえない。耳もダメになっているのだろう。そして超高速再生が発動している様子もないのであの竜魔法は何らかのデバフの効果もあるのだろう。なので他の回復系統の魔法も使えない気がする。

そんなことを考えながら強制進化を『竜魔法』に使った。



『ピコーン!』

『竜魔法Lv.MAXに強制進化が使われました』

『【称号】龍の因子が発動します』

『竜魔法Lv.MAXが龍魔法Lv.3になりました』


戦闘中はアナウンスは流れないようにしてもらっているはずだが今回は頭の中にしっかりと流れた。


「聖龍…」


龍魔法で聖魔法を発動した。その瞬間光る龍が体に巻きついて即座に怪我が癒されていく。


「マスター!左に10メートル避けて!」


ナービの声に反応して左に避けると元いた場所に竜魔法が降り注いでいた。


「とりあえず一命を取り留めたな!」


「マスターに言いたいことは山ほどありますが…今は竜王達を倒しましょう」


そう言ってから2人での作戦会議が始まった。


「まず、わかったのは混沌竜は他の竜がいなくなるまで攻撃魔法を使ってくることは無いでしょう」


それは何故か聞くと攻撃魔法の威力が強すぎて周りの竜が巻き添えを食ってしまうかららしい。


「なので、他の竜を倒すまで混沌竜は放置でいきましょう」


「え?先に倒した方がいいんじゃないの?」


攻撃魔法を使わないうちに倒した方が簡単そうだと思ったが、他の竜王の妨害を受けながら倒すのが難しいのと追い詰められて急に攻撃魔法を使われると大変なのでおすすめしないと言われてしまった。



「身体属性強化・龍魔法」


身体属性強化を龍魔法でやるとどの属性でやるよりもステータスは強化された。


「ぐがっ…」


だが、その分体がその強化に追いつかないようで骨や筋肉が破壊されていく。しかし破壊された瞬間から超高速再生で回復しているので長時間でなければ問題ないだろう。それに加えて限界突破と極限突破まで使って一気に俺を死の淵まで追いやった常闇竜に向かって行った。


「波っっ!!!」

「ガアァ!」


まだ強化されたスピードに慣れていないのでカグロをガントレットに変えて体当たりをするみたいに殴りかかった。


「雷電龍!!」


本当は殴る瞬間に龍魔法で爆発魔法を使いたかったが、思ったより敏捷が強化されていたのでタイミングが分からずに発動出来なかった。だから常闇竜の上から龍魔法での雷電魔法を発動した。

すると声を出す暇もないほど一瞬で倒すことができた。


「常闇龍!!」


すぐに常闇竜から強欲したばかりの常闇魔法を使って全ての竜王に攻撃を仕掛けた。この魔法の強さは身をもって体験している。





「はぁはぁ…」


龍魔法は確かにものすごく強力な魔法だがMPをものすごく食うせいでもうMPがほぼ無くなってしまった。


「「グギャァァァ!!!」」


先程の龍魔法で削れた天井や壁の瓦礫から2頭の竜が現れた。


「混沌竜は生きていると思っていたが神聖竜まで生きているのか…」


「混沌竜が神聖竜を守ってました」


混沌竜は龍魔法が使われた瞬間に全ての竜王を守れないと判断して1番自分と相性のいい神聖竜だけを守ったそうだ。


「神聖竜は回復役で混沌竜が攻撃役になるでしょう…」


他の竜王達はもう居ないので混沌竜が戦っても巻き添えを食うことは無いだろう。


「どうにかして先に神聖竜を倒せってことだね」


「しかし混沌竜もそれをさせないようにしてくるでしょう」


常闇竜じゃなくて神聖竜を倒せば良かったと今になって後悔し始めたがもう遅い。とりあえず混沌竜からMPを拝借してから作戦を練ろう。


「グガギャァァァァァァ!!!」


混沌竜が何かしらの竜魔法を放ってきたのでラッキーと思ってカグロでMPを暴食しようとしたが、何か嫌な予感がするので急いで避けた。


「はあぁ!!?」


竜魔法が通った部分がぽっかり穴が空いているようになっていた。


「恐らく虚無魔法ですね」


怖い…いくらカグロが耐久∞と言ったって消されてしまえばどうなるか分からない。


「しかし今のでMPを半分近く使っているのでそう多用はできないでしょう」


あれは撃ててももう1回では無いかとの事だったので身体属性強化を発動せずに向かって行った。



「くそっ!キリが無い!!」


混沌竜は接近戦が苦手なのか物理攻撃や魔法攻撃を当てることはできるが神聖竜に回復されてしまう。だからといって神聖竜に攻撃しようとすると混沌魔法で場所を変えられてしまう。しかしこれを繰り返すおかげでMPがだいぶ溜まってきた。そこでそろそろ仕掛けることにした。




「氷結龍!」


十分に距離を取ってわざと混沌竜は避けることが出来る速度で放った。避ければ神聖竜が、避けなければ混沌竜が、とどちらかが必ず当たるようにしているのでどちらかに当たれば勝てる。


「グガァ!グギャァァァ!!!」


混沌竜が竜魔法で虚無魔法を放ってきた。正直これも予想はしていた。だから転移を余裕でできるくらいにはMPを残していた。そして、その時はMPを尽きた混沌竜を放置して神聖竜を倒す予定だった。ただ予想出来ていなかったのは神聖竜諸共全方位に無差別に使ってくることだけは考えてもいなかった。


「ヤバいっ!!」


とりあえず両手を前に出して虚無魔法を高速崩壊させていき、虚無魔法に触れて消える手を即座に超高速再生で回復していく。だが、虚無魔法の方が断然早く高速崩壊が追いつかない。


「時間遅延!!」


そこで今思いついた時空魔法を使ってみた。これにより周りの時間の歩みが少し遅くなり高速崩壊が虚無魔法に少し追いついた。しかしまだ虚無魔法の方が早い。


「身体属性強化・時空魔法!」


今度は身体属性強化で時空魔法を使うことにより自分の時間の歩みを周りより早くした。これにより虚無魔法と高速崩壊の早さが同じくらいになった。




「なんで…こんなに……疲れさせる…んだよ…」


身体属性強化を使い始めてから1分たったかどうかだが、効果が真逆の時空魔法を使い続けるのはとても大変だった。

そして混沌竜を見てみるとそいつは身体中がぼろぼろになっていた。


「おそらく無差別に虚無魔法を使った際に自分と虚無魔法の隙間に入られないように自分にも当てていたのでしょう」


確かに自分に虚無魔法が当たらないようにすると少しの隙間ができてしまう。そこを埋めるために自分まで食らったのかよ…

もう立っているのも辛そうなので早く引導を渡しに向かった。



「はあぁぁぁ!!!」

「グギャギャッ…」


カグロの鎌で首を切断した。正直今回俺は死ぬ寸前まで行ったので、こいつも苦しませて殺そうとも一瞬考えた。しかし、俺が殺そうと向かって行っているのに殺されそうになって勝手にキレて八つ当たりをするのは違うだろうと健闘を称えて楽に殺した。


(そういうところがマスターの魅力なんですよね)


「ん?なんか言った?」


「いいえ。なんにも言ってませんよ」


今回は疲れたのでアナウンスの音をバックで眠ることにした。最近ずっと疲れたって言っている気がするが、気のせいだろうか?


『ピコーン!』

  ︙

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【名前】  斉藤 零

【種族】  覇王 

【年齢】  19   

【レベル】 73  ★  (18UP)

【ランキング】 1位


【HP】   13860/37080 (3240UP)

【MP】    3300/29800 (2700UP)


【攻撃】  4640+140   (540UP)

【防御】  3820+100   (432UP)

【魔攻】  4640+140   (540UP)

【魔防】  3820+100   (432UP)

【敏捷】  5074+40   (594UP)

【運】   100       


【スキル】

・手加減Lv.MAX・指導Lv.MAX・騎乗Lv.3

・吸血Lv.8・超音波Lv.9・罠解除Lv.8

・偽装Lv.MAX・変装Lv.4・連携Lv.MAX

・指揮Lv.3・水中高速移動Lv.MAX

・水中呼吸Lv.MAX・無呼吸Lv.MAX


【ユニークスキル】

・【ステータス】極大強化

・【隠しステータス】極大強化・ナビゲーション

・絶対感知Lv.7(1UP)・高速崩壊Lv.7(2UP)

・神速多重思考Lv.6(1UP)

・全大耐性Lv.7(1UP)

・超高速再生Lv.8(1UP)・疾風迅雷Lv.6

・修復Lv.7・神速飛行Lv.6

・性聖Lv.3 ・部分魔族化Lv.4・透明化Lv.4

・透過Lv.4・光合成Lv.3・硬翼Lv.4・不死鳥Lv.4

・空中水泳Lv.4・強制進化(使用不可)


【エクストラスキル】

・覇王Lv.8・魔眼Lv.7(1UP)・武眼Lv.6

・強欲Lv.6・龍魔法Lv.3(New)


【称号】

・先駆者

・挑戦者

・一騎当千

・耐え忍ぶ者

・名付け親

・強欲

・新種

・種族の王

・龍の因子

・竜王(New)

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