世界中でダンジョンが出現したのでとりあえず最強を目指す

2次元くん

ダンジョン編

第1話 始まり

今、俺の前に緑っぽい色をした小学生くらいの背のやつが剣を持って歩いてきている。


「グゲゲゲ……」


言葉かどうかも分からないことを言いニヤつきながら近づいてくる。


「なんなんだよ…」


俺こと斉藤 零がなぜこんなことになっているのかというと、それは10分前に遡る。





今年から大学生になり、もう6月になった。

俺はいつもどおり学校が終わり最寄駅に着いて電車を待っていた。


「うわっ!」


いきなり震度5はあるほどの地震が起きた。立っていられずに思わず膝を着いてしまった。周りもざわついていて状況を確認しようとスマホを開いた。


「け、圏外…?」


スマホは圏外になっていた。駅で圏外何て有り得ない。おもわず呆然としてしまった。


「わっ!!」


今度はさっきよりも強く地面が揺れた。

そして次に襲ったのは浮遊感だった。

気がついたら地面のコンクリートは崩れていて、俺は下に落ちていった。だんだん気が遠くなり気を失いそうになっていた。


『世界中にダンジョンを出現させました。全てのダンジョン完成まで後24時間です』


そんな時に頭にそう声が響いてきたような気がした…。






「…ん?ここは?」


気がついたらゴツゴツとした洞窟のような場所にいた。周りは苔みたいなのがうっすらと光っていて周りは確認できた。

特に体の痛みもないので、落ちてきた時に大きな怪我はしてないのだろう。とりあえず落ちてきたということもあり、上に行きそうな緩やかな坂の方に行ってみる。


「一体ここはどこなんだ?」


疑問に思いながら歩いていると人影が遠くに見えてきた。


「おおーい!」


そう言いながら走って近づいた。内心1人で心細かったので人影が見えてとても嬉しかった。



「おーい!ここってどこかわかりま…す…か……」


はっきりと姿が確認できるところまで近づくとどうにも人間ではなさそうだった。ラノベなどでよく見かけるゴブリンのような姿をして剣を持った何かがいた。


「グゲ!」


そいつは獲物を見つけたみたいな嬉しそうな顔をしながらこっちに向かって走って来た。


「う、うわー!!来るなーー!!」


急いで逃げるようと走り出した。

そうしたら『ピコーン!』っと音が聞こえて


『初めてモンスターとエンカウントしました。称号【初エンカウント】を獲得しました。』

『初めてユニークモンスターとエンカウントしました。称号【初ユニークエンカウント】を獲得しました。』


何か聞こえてくるのを無視して全力で走っていると


「はぁ…はぁ……い、行き止まり?」


目の前は壁で行き止まりになっていた。

追い詰めたのが嬉しいのかゴブリンらしきやつはニヤついた笑みを浮かべて近づいてきた。


「く、来るなーー!!!」


どうにかしようと周りにある石を手当たり次第にゴブリン目掛けて投げつけていた。

それをゴブリンは虫でも払うように簡単に剣で弾いていた。

そうしたらまた『ピコーン!』と音が聞こえた。


『恐怖耐性Lv.1を取得しました。』

『初めてスキルを取得しました。称号【初スキルゲット】を獲得しました。』


何かが聞こえて少し落ち着いてきたがそれでもまだ慌てて周りの石を投げていると『ピコーン!』とうるさい音が鳴った。


『恐怖耐性Lv.1が恐怖耐性Lv.2になりました。』

『初めてスキルレベルが上昇しました。称号【初スキルレベルアップ】を獲得しました。』


また少し落ち着いてきた。

ニヤニヤと気持ち悪く笑いながら、ゆっくり近づくゴブリンを狙って石を投げる余裕が出てきた。投げていると結晶みたいな石を手にした。


「あっっ」


手にした瞬間に投げるを繰り返していたため、そのまま投げてしまった。投げて見てみると赤い綺麗な結晶だった。それをゴブリンは今までの石と同じように剣で弾くが、弾いた後は今までの石と同じようにはいかなかった。


ドガーーン!!


爆発音が聞こえて爆風で、俺は後ろの壁に吹っ飛び体をぶつけてしまった。そしてそのまま気を失ってしまった……。



『ピコーン!』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

  ︙

  ︙

  ︙

『初めてレベルが上がりました。称号【初レベルアップ】を獲得しました』

『初めてモンスターを討伐しました。称号【初モンスター討伐】を獲得しました』

『初めてユニークモンスターを討伐しました。称号【初ユニークモンスター討伐】を取得しました』










「いってー……」


どのくらい気を失っていたか分からないが、とりあえず五体満足で生きてはいるようだ。

さっきゴブリンがいた場所には剣が落ちていた。

それを確認してやっと落ち着いて考え事をする余裕が出てきた。


「これってファンタジーな世界になったのか?」


ゴブリンが出てきたのでそのように思った。



「でも、普通ゴブリンって木の棍棒を持ってない?あんないかにも良さそうな剣なんて普通持ってないでしょ」


俺はさっきの頭に響いてくる音は焦っていて何も聞こえていなかったため、普通のゴブリンと考えていた。


「もしかしてステータス!って言ったら出てくるのかなー…。出てくるわけない…出てきた!!」


出てきたステータスにはこう書いてあった




【名前】  斉藤 零

【種族】  人間

【年齢】  18

【レベル】 10★★

【ランキング】 1位


【HP】   610/640

【MP】   500/500


【攻撃】  140

【防御】  102

【魔攻】  140

【魔防】  102

【敏捷】  159

【運】   82


【スキル】

・恐怖耐性Lv.2


【ユニークスキル】



【称号】

・初エンカウント

・初ユニークエンカウント

・初スキルゲット

・初スキルレベルアップ

・初レベルアップ

・初モンスター討伐

・初ユニークモンスター討伐



ちょっと待て、とりあえず言いたいことは山ほどある。まずステータスが出てきたことがびっくりだがこれだけは言わせてくれ。


「称号多くね!?いや、絶対多すぎだろ!?」

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