第51話 いつの日か…と、唐突に

英士side


涼也『山乃さんいつの日か、ふうちゃんの事を守って下さる人が表れる。幸せにしてあげて欲しいと思いながら生きて来ました』


御厨くんの告白…言葉以上に

御厨くんの心の痛みとか

様々な想いとかが込められているのを感じて…


英士「御厨くんが風歌ちゃんを幸せにしたいとは思わなかったの?」


すげぇイヤな質問だな

って思ったんだよ…けどさ


涼也『思いましたよ。出来る事ならば…』


そう呟いて

苦しそうな表情を見せた御厨くん

小学校1年の時に起こった出来事を教えてくれたんだ


涼也『 その日からふうちゃん、るなちゃん、俺。どこか恋とか、その手の話題は話す事はタブーって感じになっていって… ふうちゃんの想いがどこにあるんだろう?って思いながら。一方でるなちゃんの思いも痛い程分かるから…それに俺自身が二人の女の子の間で揺れていた。だからこうして今ふうちゃんの心の中に、別の誰かが居るかもしれない…って気付いても… 自分の想いを自らの口で伝えて、自分を想ってくれるようにと努力しなかった時点で… 俺には実るはずのない恋だったんです』


御厨くんの想いが痛い程伝わって来たんだ


涼也『それに。俺、唐突に気が付いちゃったんスよ。るなちゃんが心の中にいるって。ふうちゃんはるなちゃんを思って…ふうちゃんが俺を好き…という前提じゃ無いです。 俺の事を見てくれる日は来ないんだろうなって漠然と思ってましたから…優しい女の子は誰にでも優しくて。人の心の痛みも自分の痛みとして感じちゃうような女の子で… 様々な要因が重なって、十二指腸潰瘍で倒れたの時に、また、俺はるなちゃんを泣かせちゃった。って激しく後悔して… その後に及んでも自分の心の中に向き合う事から逃げたり。そんな時に、山乃さんがふうちゃんの心の中に居ると気が付いて…』


御厨の瞳には光るモノが…


涼也『るなちゃんは、 自分だって市の職員に沢山嫌がらせされているのに。身体だって壊したっていうのに。自分の事なんかこれっぽっちも弱音を吐かないで…俺や、ふうちゃん、倫さん、お年寄り達、会社側の同僚の事ばかり心配して『 俺にも優しくしてよ』って『 その優しさ俺にも分けてちょうだいよ』って思ったんですよね… 山乃さん、長々と俺ばかり話しをしてすいません。 聞いて下さってありがとうございました。一つだけ確認してもいいですか?山乃さん、ふうちゃんを想ってらっしゃいますか? 幸せにしてあげて下さいますか?守って下さいますか?』







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