第21話 リモート会議①

リモート会議中


英士「 大変なことになっちゃってるけど、冴多えちゃん大丈夫?忙しいんでしょ?」


心紀「 不安がってる子供が増えたよね。 夜泣いちゃう子に、ご飯をあまり食べ無くなっちゃった子… 子供達の話良く聞いてあげなきゃなって…ふうちゃんは… 1日ぼーっと過ごしていたりする日もあれば、ピアノを弾いたり読書したり文章を書いたりと…日によって波がある感じかな?英ちゃんは?」


一瞬の間をおいて、風歌ちゃんの事を教えてくれた冴多ちゃん


オイラはそんなに鋭い方じゃ無いけどさ


冴多ちゃんは風歌ちゃんの事をさ…


英士「源本さんとね、リモートで話し合いしてんの」


そんな心の痛みに気が付かない振りでさ。今は、苦しい状況の中にいる源本さんの話をしたんだ


--


リモート会議


倫『山乃さん… 山乃さんにもお見せした。風歌と、るなちゃんが必死に綴った想いをね、施設側に見せたんですよ。2月に。冴多先生、涼也くんにも『 証拠がこんなにもハッキリと残ってるんですよ。 負けるはずが無いですよ』って。 俺もそう思ってた。けど『そんな不確かな、 確証の無いものには 謝罪する事は出来ません』 そう言われたんです。涼也くんは、介護サービス会社の偉いさんに『会社に相談も無く、自分勝手に施設側に訴えるのはやめなさい』って怒らられたんですよ。おかしいと思いませんか?』


おかしいなんてもんじゃ無いだろ?


英士「施設側に憤りを感じるけれど、何よりも、介護サービス会社 の『事を荒立て無いでくれ』の 姿勢が気に要らないですよね? 守るべきものは会社じゃ無い…風歌ちゃんじゃないですか!」


倫『 それに、施設側に残って頑張っている、涼也くんにるなちゃんも守ってあげなきゃです。涼也くんも、作戦を立てて施設の証拠を掴む為に動いていて、施設側からも会社の方からも睨まれている。るなちゃんも、風歌に続いて…仕事に行けなくなる程に傷付けられて…今は自宅療養しているんです。姉は泣いているんです。るなちゃんの事も冴多先生に頼んで欲しいと…』


何で被害者が更に、追い詰められて行かなきゃいけねぇんだよっ?





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