第2話 山の手形
山に入ると不思議なことは多々ありますが、これは私の体験した中でも不思議な出来事でした。
猟師の父と山奥を歩いていた時です。その日の山は嫌に静かで、鳥や虫の鳴き声がほとんどなく、シカやイノシシなどの獣も一向に見つかりませんでした。歩き疲れた私を見た父は休憩をしようといい、小川の近くで休憩を始めました。おにぎりをほおばりながらあたりを見渡すとあるものが目に留まります。私の座る岩の隣の岩、苔むしているその岩に手形がついていました。大きさは私の手と同じくらいのもので、子供の手形であることがわかり、不思議に思い父にその手形について尋ねると、それを見た父の表情が固まりました。さっさと食事を済ませ、猟銃を担いだ父は山を下りると言い出しました。
下山中あの手形について父に尋ねると「俺も初めて見た。」とだけ言い、家に帰ってもあれが何だったのか教えてはくれませんでした。
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