[バックボーン・ダアイリ―]

半畳いだてん

前説



 生きとし生けるもの全てに超常的な能力が備わった世界。


 膨大なエネルギー量と多種多様な戦略を用いて生物たちは熾烈しれつな生存競争を繰り広げていた。


 例えばそれは炎を纏い外敵や寄生虫から身を守るトカゲ、雄が雌の攻撃(求愛行動)を超再生力で耐えしのぐ魚、大爆発を引き起こして土壌を整え、種子をより遠くへ飛ばす団栗。


 そういった特異な生物たちがひしめく過酷な環境下で、ある突然変異の末にヒトという種が誕生した。


 彼らが後にこの並外れた生態系の頂点に行き着き、いくつもの物語を生む。

 それは思想や文化、戦争といった様々な形となり、同時に彼らの力は一層強力なものへと進化した。そして他の生物を圧倒しては繁栄を極める。


 命をおもんばかる彼らは自然界を巨大な壁で断絶し、時を司る一族のもとに平和を保障される。


 ヒトにとっての楽園は完成していた。

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