幸福の論理

 幸福、その正体を知るべく、愛猫を観察することにした。

 時間は五分。

 唾を飲みこむ音を立てたのが二回、しっぽの先をちらりちらりと動かしたのが四回、そして私が思わず鼻に手の甲を当てて息を吸ってしまった音で顔を上げること二回。


 愛猫はさといから、私が観察しているのを知っている、と思う。

 そういう前提のもとに立つと、唾を飲みこんだのは、のどが渇いたせいというよりも、いささかの緊張と居心地の悪さから来たものだろう。

 寝たふりをしているが、しっぽは動く、これは何事か考えている証拠だ。


 よって、床に寝そべっている間、愛猫は何かしらの気配を感じとり、反応しているとわかる。

 それが、幸せの音だといいなと思います。


 幸せをいっこ見つけるたびに、飲み物を一杯、飲もう。

 集中するとうっかり、脱水症状になっていたりするからね! 後付けマイルール。

 えへっ?

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