第401話 スピードアタック
ルイスは、フィンに乗り。リルとソルは、ハルトとエノクを乗せる。中間地点で、HP多めのいわゆる堅い敵が現れる。ルイスは、試験管を取り出す。ゴーレムのヴィルは、サムズアップして突進して行く。
仲間たちも、任せろと突撃して敵のHPをけずりながら進んで行く。驚く2人を無視して、バフポーションと回復ポーションを投げて支援する。
しかし、限界はしっかり来る。ポーション回復が、追いつかなくなると察して回収する。
ヴィルも、察していたのか無言で頷いている。
「また、よろしくお願いしますね。」
そう言うと、ヴィル達は得意のマッスルポーズ。ルイスは、笑うとフィンから降りて真剣になる。
「さあ、ここからは全力で行きます。」
ルイスは、短刀を構える。
「よーし、頑張るぞぉー!」
大剣を下段に構えて明るく笑う。
「まあ、やるか!」
ハルトも、盾を構えて剣を抜く。リルソルは、フィンの背中に子狼サイズで乗る。そして、魔法待機。
「おらおら、どけどけぇー!」
盾を前に構えて、タックルしながら走り出す。盾を回避した敵は、エノクが大剣を振り回して前方にフルスイング。ルイスは、苦笑しながらバフと回復。どうやら、モンスターハウスに足を取られる人は多い様である。ルイス達を、利用しようと近づこうとするも敵が多すぎて来れない人ばかりである。
「ちょっと、良いか?」
「何でしょう?」
ルイスは、短刀を抜きながら言う。
「おおい、ちょい待ち!協力しようぜ!」
「ソロで、ここまで?」
ルイスは、短刀を振り敵を切る。すると、困った様に配信画面を見せる。合意の無い、配信は御法度である。しかし、その視聴数はすごい事になってる。
「ソロじゃねぇ!置いて行かれたの!」
「でも、合意のない配信は?」
すると、察したのか謝罪する。ルイスは、視線だけで会話する。一瞬のアイコンタクト、ルイスはやれやれと笑うと男の後ろの敵に即死を放つ。
「今の役職と得意戦闘は…」
「俺は、剣士!得意戦闘は、殴って黙らせる。」
すると、ハルトが苦笑する。
「脳筋なOK!」
「誰が、脳筋だよ!」
素早くツッコミを入れる青年。
「いいね、フルボッコタイムだよ!」
楽しそうに、エノクが笑う。ルイスは、敵を切りながらも無言になる。そして、無言で頷く。
「取り敢えず、好きに暴れてくださいな。」
すると、驚いてルイスを見る青年。
「だって、僕達3人は互いの事を知ってます。なので戦闘では、合わせる事も可能です。しかし、ここに知らない人を入れると乱れてしまいます。その乱れを、最小限に押さえる為に僕達が合わせます。」
「それは、とても申し訳ない…。ありがとう!」
3人は、流れる様に合わせる。
「とんでもないな…。」
青年は、思わず呟く。
「ルイス…」
ハルトは、盾を構える。ルイスは、軽やかに盾を飛び越えると鋭い一撃。地面ごと吹き飛ぶ、素晴らしい火力に思わず笑い出すハルトとエノク。
「あははは、楽しくなって来た!」
「同じく!もっと、暴れたい!」
ルイスは、呆れた雰囲気で2人を見る。
「良かったですね、狩りたい放題ですよ。」
「「わーい!」」
2人は、元気よく言う。
「わーい、じゃありません!戦闘は最小限が、この場合鉄則なのですが…。かと言って、それでは楽しく無くなりますし…うーん。うん、決めました。」
ルイスは、指輪を首に掛ける。そして、深呼吸。
「自由に行ってよし!ただし、ある程度の連携は取ること。無茶しない事、余り僕から離れない事。」
「「「了解!」」」
すると、青年は心配そうに言う。
「今更ながら、良いのか?」
「どの道、暴走列車を止めようにも勢いがあり過ぎて止められません。それに、最低限の敵を倒して進んだとしてもプレイヤーが邪魔です。何が言いたいかというと、ある意味では暴れさせた方が最短で進めるという話です。という訳で、アテンション!」
近くのプレイヤー達が、ルイスを見る。
「妨害するなら、巻き込んじゃいますよ☆」
「怖ぇえよ!」
思わず、ツッコミを入れる。
「本当に、ツッコミ不在は困るよなぁ。」
盾を振り回して、敵を吹き飛ばすハルト。
「いや、そうだけどそうじゃない!」
青年のツッコミに、明るく笑い飛ばすエノク。
「あはははは、ノリ良いねお兄さん。」
エノクは、大剣を最小限の動きで振るう。
「こいつら、マジ化け物だぁー!」
「いっそのこと、馬鹿になってしまった方が楽ですよ。時に、作戦よりも大事な事はたくさんありますから。楽しさとか。さあ、レッツ脳筋プレイ!」
遠距離広範囲魔法『無情なる断罪の刃』
光魔法で、3番目の火力と2番目の広範囲を誇るスキル。習得難易度が高く、信仰度で火力が高くなり幸運値で命中率が高くなる広範囲殲滅魔法。遠距離からでも、何処に着弾するかだいたいの位置を指定できる。クールタイムが長いが、プレイヤーレベル500でクールタイム半減と使用時バフが追加される。ちなみに、ルイス達はレベル700超え。
「どっかーん!」
ルイスは、微笑みながら呟く。
「進め進めぇーい!」
ハルトは、盾を背負うと全力ダッシュ。
「GO!GO!」
エノクも、ノリノリで走り出す。
「はいはい、行きますよー。」
やれやれ、走りだすルイス。青年も、慌てて走る。
「よーし、モンスターハウス突破!」
ハルトは、暢気に言う。ルイスは、素早く指輪を外すと加速する。危機感知が、複数引っ掛かるのだ。煩わしい雰囲気、力技で罠を破壊しながら、索敵してポーションを3人に投げて渡す。全回復である。
「化け物すぎる…」
「まあ、気にしたら負けだと思う。」
ハルトは、盾を構えて走り出す。ルイスが、視線をハルトに向けたからだ。そして、右側からバックステップでハルトの後ろに回り込む。ハルトは、盾を地面に突き刺し固定。エノクも姿勢を低くする。
何かがぶつかる音。
「どっせい!」
反射スキルで、魔法を跳ね返す。そして、敵を倒してゴールした。スタンプゲットである。そして、解散するのだった。ルイスは、楽しそうに笑う。
なお、なかなか起きて来ない瑠衣を大河が起こしに来て。朝から、少し怒られたのはご愛嬌である。
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