第339話 休憩タイム

やっと半分のボスが、攻略完了しました。しかしながら、ちょっと難易度が高すぎませんかね?


作戦や対策は、考えられても実行は難しいのです。


僕達が、攻略成功が出来れいるのは歴戦の技術を持つ、先駆者達の集団であるから。名もなき同盟は、基本的に逆境に強く負けず嫌いで、敵が強ければ強い程に燃えます。現に、泣き言を言える心の余裕はあるのですから素晴らしいですよね。本当に…。


しかも、初心者をカバー出来る程の冷静さも持ち合わせています。まあ、精神的な余裕はないんですけどね!心と精神は、全くの別物なのです!


やれやれ、落ち着きましょう。


まだ、まだ半分も残っているのですし。


それと、今の討伐ランキングで1位なのでこれもキープしたい所です。僕達には、余り美味しくありませんが、初心者さん達にとっては大事な素材が報酬なのです。このイベント報酬で、少しでも強くなれるお手伝いが出来れば良いのですが。報酬は、多ければ多いほど良いですもんね。頑張りましょう!


あれ?公式さんが、何やら新しいお知らせを出したみたいです。いったい、どんなお知らせでしょう?


あ、やはり報酬に不満がでましたか。


ですよねー。レベルで、報酬が変わるのだと、報酬一覧が貼り出されていました。これは、嬉しい。


それと、ボスに調整が入るみたいです。ステータスの方だけ…ですか。スキルは?スキルは、そのままなのですか?あ、はい…。よーし、頑張りましょうね皆さん。取り敢えず、地獄確定ですからね。


次は、天秤座でしたっけ。……思考放棄します。


「よう、ルイスとグレン!攻略は順調か?」


その声に、ルイスは無言で驚き子供らしい笑顔を浮かべる。グレンも、嬉しそうに笑い立ち上がる。


「トモ、今から乙女座か?」


グレンは、いつものように駆け寄る。


「そーなんだよ。」


「俺も居るぜ!2人とも、疲れてんな?」


ユウユウは、手を振り歩き出す。ルイスも、ティーカップを起きメンバーに声を掛けて歩き出す。


「お2人とも、攻略は順調ですか?」


「「いいや。」」


真顔で答える2人に、ルイスも反応に困った表情。


「まあ、僕達もかなり苦労してますからね。」


普段とは違う、心を許した雰囲気のルイスに大人達は、思わず優しく微笑んで見守っている。


「所で、誘えたのか。」


「レイに、頼みました…。」


ルイスが、視線を逸らすと2人は言う。


「「あ、逃げたな。」」


「おっと?」


ルイスは、2人を見て満面の笑み。


「逃げろー!」


ユウユウの言葉で、トモも逃げ出す。


「お前ら、学習しろよ。」


グレンは、呆れた雰囲気で困った様に笑う。


「よろしい、受けて立ちましょう。」


ルイスは、素早く走り出す。暫くして、見えない場所で2人の悲鳴が聞こえる。帰って来たルイスは、いつもの通りで2人も普通に笑っていたので問題ないだろう。どうせ、いつもの跳び蹴りである。


「まったく。」


グレンも、3人に駆け寄り4人で戻る。


「それで、何か要件があったのでは?」


ルイスは、真剣なリーダーの雰囲気で言う。


「簡単に言えば、情報交換だ。勿論、俺達もルイス達が攻略してない奴の情報を渡す。しっかり、動画も撮ってあるしな。勿論、マナーは守るぞ。」


「なるほど、交渉ですか。しかし、リーダーが来ないのは何故でしょう?交渉するならば、リーダーが来るのが当たり前でしょう。舐めてます?」


勿論、彼らが舐めているとは思ってない。しかし、何も知らない周りからすればそう見えるのだ。敢えて、ここで言う事でそれに気づかせ、来た時点でフォローしようという考えである。ここは、迷宮で身内以外の組織やプレイヤーが多くいるのだ。下手に動けば、炎上するのは分かりきっていた。


「リーダーは、少し手が離せなくてな。申し訳ないが、少しだけ待ってくれないか?」


トモは、ルイスのそんな雰囲気を感じ取り、少しだけ考えた雰囲気で延長を選ぶ。間違いでは、無いのだが余り良い発言ではない。しかし、ルイスは真剣な雰囲気で素っ気なくフォローしてみる。


「確かに、2人ともよく見たら装備の耐久性が。ならば、2人もと万全な状態で出直してください。僕達は、まだ暫くは休憩してますからね。その時になれば、リーダーさんも手が空いてますよね?」


先駆者の同盟で、ランクが格上のリーダーを待たせる。余り、言動がよろしくない。ルイスは、有名人なので目立つしこういう話題は素早く広まる。ならば、2人を戻して待っているのではなく、休憩しているんだぞと示した方が庇いやすくて良い。


「分かった、また来る。すまんな。」


ここで、ルイスは子供らしい雰囲気に戻る。


「ふふっ、今度リアルで遊びに行きましょう。」


「おう、そこら辺は後で話そうな。」


トモは、いつもの雰囲気で笑い2人は、メンバーの場所に戻って行った。ルイスが、リアルでと言ったので友達と理解する周囲。グレンも、頷く。


「まあ、悪くない話ではある。」


トキヤは、ポーションを飲みながら言う。


「はい、そうですね。取り敢えず、僕達は休憩を続行します。冷たい麦茶、美味しいですね。」


暫くして、情報交換をして話し合いトモ達は、乙女座攻略に向かって行った。ルイスは、息を吐き出してから真剣な雰囲気で呟いてみる。


「さあ、僕達も頑張りましょうか。」


『おう!』


全員が、力強く答えるのだった。

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