第263話 打ち合わせと定期報告
さてさて、ここで派閥を決めるお時間です!
すると、龍人2人が此方を見ています。僕、頑張ったのでそろそろ引いても良いと思うんですよ。
そろそろ、定期報告に戻ろうと思いますし。
という事で、中立派に入りたい今日この頃なのですが…ね?取り敢えず、バーズさんもひと段落着きましたね。取り敢えず、今日はここらで野営との事。
エルフ国を解放したり、影達の企みをあばいて撃退に力を貸したり。これ以上は、やり過ぎかと思うんです。もっと、アメリカサーバーの人達が活躍できる様に早めに身を引くのも有りですし。
バーズさんも、名誉回復したでしょうしね。
「バーズさん、職人シリーズのスキル有ります?」
葛葉は、ノホホーンと笑って聞く。
「チームを組んでるんだ、勝手に見ても構わない。取り敢えず、全て持って育ててあるぞ。」
バーズは、自信を持って笑う。
「すみませんが、職人スキルを使いながら家を建ててくれませんか?すると、特殊機能がつくので。」
申し訳ない雰囲気で、葛葉はお願いと言う。
「了解した。」
葛葉は、バーズのステータスを確認して驚く。
「…バーズさん、クランを立て直します?」
真顔で、葛葉はバーズをみる。
「ああ、その予定だが?」
「ふむ…、フレンド交換しておきましょうか。」
すると、ヴァンとジェイドが目を丸くする。それはそうだ、彼らはルイスからフレンドを拒否された。
逆に言えば、それだけバーズが有能だという事だ。
葛葉…もとい、ルイスが友好関係を持とうと考えるくらい。勿論、ルイスは互いの利益になる交渉しかしないので、友好関係を取るためとはいえ運が良いとしか言えない。葛葉は、少しだけ上機嫌である。
「俺なんかのフレンドで、そこまで喜んでくれるだなんて。何か、少しだけ照れる…。」
バーズは、照れた様に頭を掻く。
「私は、お店を持ってますからね。どうしても、机や椅子はボロボロになり易いんです。今までは、買い替えてましたが、バーズさんなら修理可能ですよね。私は、お金と時間が浮きますし、バーズさんは仕事とお金が貰えるし良いのではと思いまして。」
葛葉は、商売の話をウキウキした雰囲気で提案。すると、バーズは驚いてから嬉しそうに笑った。
「俺で良ければ、全力で取り組もう。」
「いずれ、クランを復活させたら同盟にも勧誘しますね。同盟には、生産クランも多いので仕事には困らないはずなのです。あ、無理強いする気はないです。気が向いたらで、OKなので頭の隅にでも。」
少なくとも、素材にもお金にも人材にも困る事は無いと笑う葛葉。その言葉に、嘘はなく逆にそれだけの影響力のある組織だとも確信する。
「そんな事、言っても大丈夫なのか?」
良くも知らない、他人をあっさりスカウトする葛葉に苦笑する。同時に、心配そうな雰囲気である。
「うーん…、私のスカウトなので大丈夫だと思いますよ。一応、仲間に話は通しておきますので。」
ケロッと言った、ルイスの反応にバーズは驚く。その同盟で、葛葉がそれ程まで発言力を持つ人間という事になるからだ。つまり、偉い人の一人と予想。
「すみませんが、30分ほどサーバーから抜けますね。終わったら、休んでいてください。」
そう言うと、葛葉はサーバー移動をする。
ルイスは、トキヤ達に革命に巻き込まれたと言う。しかも、待っている人が居るから帰って来れないとも。すると、深いため息を吐き出してトキヤは。
「来れないなら、俺達が行けば良いだけだろ。」
「へ?…あ、えっとマジです?」
でも、中立派に行きたいのですよ僕!
「革命って、経験値やお金それに素材も美味しいからな。それに、お前がスカウトしたい奴も気になるし。まあ、一番の理由は当然…暇過ぎるからだ。」
トキヤは、書類をポイっと投げて暇そうに言う。
「日本サーバーは、本日も平和だぜ!」
グレンも、私服装備でヤケ糞に暇だと嘆く。
「という訳で、革命でも戦闘でも策略でもウェルカムっす!寧ろ、どんとこいっすよ!」
ルーカスも、私服装備で珈琲を飲みながら笑う。
「な、なるほど…。」
ルイスは、思わず頷く。
「どうせなら、同盟も巻き込むか?」
トキヤは、暢気に笑う。
「そこの判断は、トキヤさんに一任します。」
「了解、取り敢えず送って…返答、速っ!?」
トキヤの声に、ルイスは思わず乾いた笑い。
「皆さん、ひ…お時間があるんですね。」
暇なんですね、と言う言葉を飲み込んでオブラートに包む。その、ルイスの言葉に思わず乾いた笑いを溢すメンバー。ここで、悩みを打ち明ける。
「中立派でも、やる事はたくさんある。取り敢えずは、拠点は有る感じなんだな?」
「はい、もともと呼ぼうか迷っていたので。一応はですが、同盟全員が来ても大丈夫ですよ。」
すると、トキヤは楽しそうに装備変更。いつもの、戦闘服を身に纏う。グレン達も、装備変更する。
トキヤ達は、まだ準備に時間が掛かるので、ルイスは先に戻る事にした。その際、もふもふ達が離れてくれなくて、5分ほど遅れて帰る事になった。
お屋敷が出来ており、部屋は暖房家具がないのに暖房が効いてる様に暖かい。ルイスは、家具とかを素早く配置する。すると、バーズが外から来る。
「ジェイドさん達が、葛葉を呼べって。」
少しだけ、困った雰囲気にルイスは首を傾げる。
「急用で、代わりの人材を寄こして帰ったと伝えてくださいな。それで、2人は察するはずです。」
ルイスは、料理を作りながら素っ気なく言う。
「了解だ。」
そう言って、数秒後に足音がズラズラ。部屋が暖かい事に驚く声、環境ダメージを受けない事への驚きの声がする。ルイスは、思わず笑ってしまう。
知らないで、貴方達は木製職人を馬鹿にして。
流石に、バーズもこれ以上の建築は無理だと言っていた。おそらく、このままでは殆どのプレイヤーが凍死するだろう。ルイスは、無言で料理を作る。
「やはりか…」
「えっと、不機嫌そうだね?」
2人は、どうすべきか深刻そうに悩む。
実は、木製職人は有識者にとっては重要な職業だと知られていた。ジェイドやヴァンも、ルイスが組んだ事で調べてみて驚いた程だ。またルイスが、仲間を貶す周りに苛立ちを感じるのも当然なのである。
「こんばんは、それで何か様ですか?」
ルイスは、火を止めてから蓋をして振り返る。
「今から、打ち合わせしようと思ってな。」
「僕、中立派に行きますから関係ないです。」
すると、2人は驚いている。
「待て待て、中立派だと?」
「それだけは、お願いだからやめて欲しい。」
周りは、バーズに詰め寄っている。バーズが、嫌がっているので強制的に追い出した。
「ルイス、怒るのはわかるが…」
「それもですけど、あまりアメリカサーバーの人達の活躍の機会を奪わない為です。バーズさん、シチューを作ったので一緒に食べませんか?」
ルイスは、サラダとパンを置いてからシチューを置く。すると、その美味しそうな匂いに反応するプレイヤー達。食糧やポーション、いろんな物が不足しているためこんな贅沢は出来ないのだ。
「同盟は、呼んだのか?」
「はい、暇そうにしてたので。」
ルイスは、あっさりと言う。
「それは、ありがたいな。」
そう言うと、全員が部屋から去って行った。ジェイドは、困った雰囲気で真剣に考える。
「まずは、ルイス攻略からだな…」
「敵にする、恐ろしさは身に染みてるからね。けどさ、対応を見るに魔物にはつかないよね。」
ヴァンは、寒さで削られたHPをポーションで回復する。ジェイドも、カイロを握りしめている。
「同盟が、来るならば交渉が出来るはずだ。」
ジェイドは、焦る雰囲気で考えるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます