第251話 仲良くしようぜ!

ルイスは、空歩で屋根に乗ると走り出す。紅龍人ブレイブも、素早く空歩を発動させて追うが、全く距離が縮まらない。それ所か、距離が離されて行く。


「嘘だろ、まだ加速するのかよ!?」


「早すぎる、見失いそうだ。」


ルイスは、走る勢いそのままに隣の建物へ軽やかに着地。しかし、ブレイブはビビり減速する。


グレンは、先回りして最短ルートで追いつく。


「お前、本当に身軽だよな?」


呆れた雰囲気で、疲れた様に言う。


「先回りとは、流石は僕の相棒ですね。」


ルイスは、クスクスと笑う。勿論、その間も並走状態である。グレンは、チラッと右側を見る。


「ルイス、相手は友好的だけど?」


本当に、このまま逃げ切るのか?っと問う。


「嫌です、引き籠りたいのですよ。」


真顔で、キリッと言い切るルイスに笑うグレン。


「取り敢えず、ホーム目指そうか。」


「了解です。」


グレンの言葉に、ルイスは頷きリルソルを呼ぶ。そして、グレンはソルにルイスはリルに乗って移動する。勿論、2人はルイス達を見失った。


周りのプレイヤーに、囲まれて説教を受けてる。


2人は、反省して食事の為にbreezeに向かった。ネットで話題の、初心者からランカーまでお薦めの店との事。とても、ワクワクしている2人であった。


グレンは、苦笑して移動しようとする。


「待って、待ってくれ。」


慌てる2人に、グレンは深いため息を吐き出す。


「それで、俺に何かようか?」


「ルイス君と、一緒に居た人だよな?」


グレンは、無言で頷く。


「良かった、追いかけた事を俺達が謝っていた事、ルイスに伝えてくれるか?本当に、すまない。」


アメリカ最強のフレドは、本当に申し訳なさげ。


「良いけど、平和な日本サーバーに何しに来たんだよ?そっちに、何のメリットも無いはずだろ?」


グレンは、ずっと疑問に思ってた事を言う。


「ルイスと、仲良くなりに来た!」


ドヤ顔で、胸を張るブレイブ。頷く、フレド。


「ルイスは、基本的に忙しいし、やっとの休みだ。本人は、ゆっくりしたいから断るそうだぞ。」


グレンは、嘘偽りなくルイスの本心を言う。


「せめて、一緒に遊びたかったけど。そうだ、もし時間が有るなら一緒に遊ばないか?勿論、断っても良い。観光して、それならそれで帰るだけだし。」


グレンは、悩む雰囲気である。


「ちなみに、仲良くなるだけが目的か?」


すると、ブレイブは頷いて答える。


「おう、そうだぜ。仲良くなって、一緒に動画を撮ったりして貰えたら嬉しいかな。そして、願わくばフレンドになりたい!リアルで、コラボ出来れば尚更に良いよな。いや、無理にとは言わないぜ。」


「欲望ダダ漏れだなぁ!?」


グレンは、キレの良いツッコミを入れる。


海外でも、ルイスが中々にフレンドになってくれないのは有名だ。何せ、ヴァン達のフレンド申請すらも拒否したくらいだ。そして、グレンは言う。


「それ、今は無理かも。」


その言葉に、その場のプレイヤー達が耳を傾ける。


「ルイスは、もしも初実写コラボするならルーカスかマッキーさんとしたいって言ってたから。勿論だが、これは昔の雑談で話した内容だけどな。」


すると、ルーカスは嬉しそうに笑う。


「ルイス兄貴、とっても嬉しいっす!」


「あくまでも、もしもだったらの話だ。後、俺が言ったとルイスに言うなよ?面倒だからな…。」


すると、固まるルーカス。


「何が、面倒なのでしょう?ねえ、グレン?」


ルイスは、大人っぽく微笑み言う。


「すみませんでした!」


グレンは、素早く謝っている。


「まったく、騒がしいですね。撮影は、NGで良ければ遊んでも大丈夫ですよ。フレンドは、お断りしますけど。勿論、実写なんて論外ですし。」


ルイスは、諦めた雰囲気で言う。


「まあ、暫くは休めそうなので今日だけなのです。取り敢えず、準備しますがグレンも来ますよね?」


「おう、勿論OKだ!」


ルイスは、嬉しそうな2人を見る。


「それで、お二人さんも良いですか?」


「「本当に、ありがとう!」」


2人は、嬉しそうな雰囲気だ。ルイスは、優しく微笑みを浮かべてから、考える雰囲気で言う。


「取り敢えず、遅くなってしまいましたが。これ、僕が言って良いんですかね。うーん…」


「どうした?」


グレンは、キョトンとしている。ルイスは、頷いてから背筋を伸ばして明るく優しく微笑む。


「お二方、日本サーバーへようこそ。始まりの街、生産ギルドbreezeはお2人を歓迎しますよ。」


すると、2人は嬉しそうに笑ってから固まる。


「ルイスって、この店のトップかよ!?」


「まさか、日本サーバー1位生産クランのリーダーだったなんて。それは、かなり多忙だよな。」


ルイスは、苦笑している。


「「今日は、よろしく!」」


2人が言えば、ルイスは頷くのだった。グレンも、優しく笑う。何気に、この2人は憎めないのだ。


こうして、4人はお店をでるのだった。

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