第8話 炎龍対決
ボフンッと、音が聞こえたので見てみる。2匹は、元の姿に戻り眠たげにあくびをしている。
ふむ、これはスキルを確認しないと………
2匹には、【急成長】のスキルが。しかし、説明を見るに身体には良くなさそう。なるべく、このスキルは使わないように言わなければ。
2匹を抱えて、歩き出す。もう、隣国へのルートは開かれておりボスも倒されている。ただし、隣国に行くには必ずボスを倒す必要がある。といっても、レベル20のポイズンフロッグなんだけど。
まぁ、僕には天敵かもね。触れず、打撃耐性を持っているから魔法でしか倒せないとか。あ、別に魔法攻撃が出来ない訳ではないのでご安心を。
祈祷術には、攻撃魔法もあるので。
ちなみに、祈祷術とは祈祷師のスキルの全てが揃った時に、合成されて1つになった総称スキルです。
○○術=スキル総称
ただし、詠唱はそれぞれ違いますが。
そこは、スキル詳細を見れば取得スキルとスキル効果と詠唱文と必要MPが、見やすく書かれているので安心です。まぁ、βプレイヤーやベテランは丸暗記して、戦闘の隙を減らしてますけど。
ちなみに、僕も丸暗記派です。そんな事より、勉強をしっかり覚えなさい?勿論、リアルに戻ったら勉強を優先しますよ。そこは、切り替え大事です。
プレイネーム:ルイス
LV:55
種族:人間(※隠蔽なし 龍人)
job1:祈祷師
job2:薬師
HP :1500
MP :3000
STR :35
VIT :17
AGI :75
INT :140
MND :75
LUC :80
基本戦闘スタイル
※回避型物理攻撃タイプ(攻撃時)
※回避型魔法回復タイプ(回復時)
種族スキル
【拳闘術10】【身かわし10】【聞き耳5】
取得スキル
【祈祷術6】【荒魂・和魂召喚1】【身代わり9】【薬草術10】【毒草術9】【薬調合10】【薬術10】【応急措置5】【医療8】【騎乗10】【錬金術10】【料理10】
※数字は、スキルレベルです。
※今は、上限が10までです。
さて、これが僕のステータス。
荒魂・和魂召喚は、使うタイミングがなくて育ってないんだけど。今回は、辛い戦いになりそうだね。
まずは、ポイズンフロッグからだね。打撃耐性は持っても、斬撃耐性は無いよね。少しでも、傷をつけられれば毒で何とかなるはず………。たぶん………
うわぁー……、気持ち悪い。何か、ヌメヌメしてそうだし。何か、毒々しい見た目だね。
よし、一瞬で終わらせよう。瞬殺は、無理かな?
でも、いつまでも見ていたくないので頑張ります。
「数多の神々に、祈祷師ルイスが乞い願う………。災厄の種に、神聖なる神の裁きを………【ホーリージャッジメント】!」
えっと、取り敢えず【詠唱破棄】と【投擲】を覚えたい。あとは、【器用】かな。一応、祈祷師は杖も装備できるけど短刀や短剣も装備できる。
まぁ、取得条件が不明なのですが。
他のスキルも、本当は欲しいけど一人じゃ限界があるなぁ。でも、キリアさん達とは行けないし。
ちなみに、今は他の冒険者と組む予定はないです。
まぁ、β時代の事を引きずってるだけですが。
さて、行きましょう!
マップを見て、森を歩くと姉御肌の女性が居る。
「おや、早かったね。待ってたよ、龍人様。」
えっと、ステータスご確認。
竜姫サラ レベル60
ふむ、姫キャラがお出迎えですか。名前と、レベルしか分からないって事は………
「あんたが、7龍の試練を受ける資格があるか。ちっと、試させてもらうよ。それ、かかって来な!」
ですよねぇ~♪まさかの、そういうキャラですか!
と言うか、凄く速いし堅いんですがっ!?
「あんた、本来の姿になりなよ。」
「………あ。」
あ、いきなり始まったので忘れてました。そっ、そんな呆れた目で見ないでくださいよ。
僕は、服の内側に隠してた隠蔽の指輪を服の外に出す。チャリッと、音がして良く見れば綺麗な指輪です。さて、イベントリに収納してみる。
「何か、久しぶりの感覚ですね。」
「………っ!?」
ん?えっと、サラさん?
「かっ……、かかっ………」
あら?あの、えーと?
「可愛い!」
「だまらっしゃい!」
思わず、素で殴ってしまった。
酷い、僕は男なのに……。男なのにぃ………。もう、落ち込むよ?と言うか、泣くよ?泣いちゃうよ?
「やーん、可愛い。」
「僕を、試すのでは?ちょっと、いい加減に離れてください!一応、僕は異性なんですよ!?」
思わず、悲鳴のような声で言ってしまう。
「大丈夫だよ。何せ、あたいの鱗を砕いたんだ。それに、可愛いは正義だっていうだろう?」
良くみたら、鱗が落ちているのを発見した。ええーと、僕の殴りを鱗を一部出してガードして失敗したと?なら、クリアしたんですよね?
「まぁ、七龍様は凄く強いがね。まぁ、せいぜい何度も死に戻りして頑張りなよ。」
あ、死に戻りは確定なんですね。了解しました。
「すまん、娘が暴走したようだの。」
あ、竜王さんの部下が慣れた手つきで、素早くサラさんを僕から引き剥がす。うん、凄いです。
僕は、ため息を吐き出してしまう。
「何か、すまないのぅ。今のうちに、こっちじゃ。すでに、7龍様がお待ちになっている。」
洞窟に入ると、7龍が此方を見ている。2匹は、預かると言われた。まぁ、テイマーじゃないしね。ちなみに、龍は倒すといってもHPの3分の2を削ればOK!おそらく、殺す前に何度も殺られるしね。到底、倒せるとは思っていません。
「ふむ、黒か………。」
「おう、珍しい色だな。」
ん?何が、どういう意味なんだろう?
「黒は、珍しいんですか?」
「この世界では、全ての色が混ざると黒になるとされている。つまり、白が始まり黒が終わりとな。邪龍様は、黒い鱗を持つが元々は優しい龍だった。」
うん?待って、7龍の属性は確か……
炎・氷・大地・煌・暗・暴風・樹
の7属性だったよね?
「我ら、龍は3つに別れるのだ。」
「下から、《属性龍》・《七龍》・《四天龍》。」
「分類は、魔物・聖獣・神獣だな。」
まだ、上が居るんだね。まぁ、恐らく神獣だから戦う事にはならないと思うけど。
「では、俺から行こう。炎龍だ、よろしくな。」
ちなみに、龍と竜は別の生き物として存在する。そして、龍の方が強い。何故なら、上位の龍は神の恩恵を受けているからだ。ここで、龍人の立ち位置は竜以上龍未満である。属性龍から、嫌われている。
まぁ、龍と人の子って設定だしね。
属性龍から、穢れた血と言われているらしい。ちなみに、竜人のプレイヤーは居ません。
さて、まずは炎龍からか………
にしても、どうしようかな。鱗は、堅いし毛は炎だし殴れば火傷の異常にかかるだろうし………。薬だって、燃やされたり蒸発されれば無効になるしなぁ。ナイフでは、溶ける可能性もある。
魔法は、詠唱が長いから辛い………。
「では、参るぞ若人!」
とにかく、身かわしで………ぐぅっ!速い、見えないしダメージが大きい!これ、ちょっとまずっ!
はい、死に戻りました!
くぅ……、何も出来ないのは悔しいな。
「まぁ、最初はこんなものよのぉ。」
「少し、考える時間をやろう。」
僕は、息を吐いて身体から力を抜く。そして、真剣に考えてみる。全体的に、目視での回避は遅すぎるのだ。来ると、認識した時には攻撃が当たってる。
無様でも、最初は逃げる手段を考えないと。
勝つために、一度は逃げる事も大切だと思う。それで、勝てる切っ掛けになるなら。
今の僕には、スピード・パワーなどどれを取っても相手に劣っている。つまり、決定打が無いのだ。それに、魔法の詠唱の暇がない。となると、詠唱時間をどうにか作る必要がある。さて、どうしようか。
あ、錬金術か……。
ちなみに、錬金術は水素爆発とかの科学要素でβ時代はやっていた。しかし、危険だといわれる。それから、この世界の薬草で条件つきで効果を持つシステムを作った。そして、それがこの世界の錬金術。
β時代、慌てて運営にメールを送った記憶が………
やばい、脱線した。
まてよ、蒸発するならさせれば良いじゃない。えーと、確か蒸発しても使える毒があったはず。
うん、ストックもある。
恐らく、毒は動きを少し鈍らせるだけ。本体まで、ダメージはいかないはず。ダメージが、仮に入っても微量だろうし。あとは、回避さえ出来れば詠唱が出来るのでは?でも、油断しないように頑張ろう。
深呼吸をして、振り向けば七龍達は優しい目で見ている。僕は、炎龍を見てから言う。
「炎龍様、よろしくお願いします。」
「………炎龍で良い。さぁ、やろうか!」
やっぱり、速い……回避が間に合わない!今!
試験管を、炎龍に投げてその勢いで後ろに下がる。毒で、動きか鈍ったおかけで間一髪で回避する。
スキル【直感】・【回避術】を獲得しました。
よし、これで回避がしやすくなった。
「数多の神々に、祈祷師ルイスが乞い願う………。我に仇なす、数多の災厄と敵を阻め………【ホーリーシールド】!つっ……、危っない!」
少し、油断したなぁ……。怖っ!また、死んじゃう所だったよ。よし、大丈夫………。
距離を置いて、詠唱を開始する。
「数多の神々に、祈祷師ルイスが乞い願う………。うわっと!まぁ、そうだよね……。」
炎龍は、笑っている。くぅ………、攻撃魔法を使わせて貰えない……。これは、辛いんだけど………。
スキル【詠唱破棄】・【投擲】を獲得しました。
よっしゃ!これで、少しは魔法も使える。
「【ホーリージャッジメント】!」
「ふむ、ここまでダメージを貰うのは久しぶりだ。ここからは、全力になるぞ?」
「…………ぐっ!」
スキル【龍の威圧】を獲得しました。
数時間後………。
何度、死に戻っただろうか?やっと、ここまで。
「【ホーリーアロー】」
「ぐはっ!ふむ、今の攻撃は響いたぞ。お前、面白い奴だなぁ。ふははははっ!お前に、今後の期待を込めてこれをやろう。」
炎龍から、赤い光の玉がふわふわ飛んできて僕の目の前で止まる。僕は、戸惑いながらも右手で触れてみる。すると、光の玉は弾けて消えてしまった。右手の甲に、紋様が浮かぶ………龍紋!?
「それが、七つ揃えば龍紋になる。頑張れよ、若人。」
やっぱり……。僕は、取り敢えずログアウトした。
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