第2話 特殊な設定
学校から帰り、ワクワクしたように準備してヘッドギアをつける。そして、白い空間に立っていた。
AIの、サポートピクシーが肩にとまる。
『まず、名前をつけてください。』
すると、目の前にパソコンのキーがでてくる。
「うーん、ルイスで良いや。」
すると、サポートピクシーが一瞬だけ驚く。だが、何事もなかったかのように話を続ける。
『ルイスさんは、βテスターですね。情報は、引き継ぎますか?それとも、引き継ぎませんか?』
へぇー、引き継げるんだ。でも、内容しだいかな。
「うーん、引き継げる内容は?」
『装備、所持アイテムの半分です。』
うん、それはβが有利になりすぎない?
『それは、大丈夫です。もはや、βプレイヤーの所持アイテムは劣化版ですから。しかし、貴方は関係なさそうですね。何せ、生産職業でしたから。』
「ん?それは、どういう事なの?」
『ふふっ、秘密です。そうだ、βプレイヤー特典コードを早めに入力しましょうか。』
パソコンのキーで、素早くコードを入力する。
『特典その1:β版の職業の称号・スキル化。2枚あるので、ルイスさんは錬金術と料理の2つをスキルとして貰えます。ちなみに、どちらも最高まで極めていたので称号も与えます。錬金術は、称号【錬金王】で料理は称号【神の美食】ですね。』
待って、ちょっと待ってぇー!これは、ばれたらいけない称号!これは、直ぐに隠蔽を覚えないと。
「あのぉ……、コードってキャンセル出来ますか?」
『すみません、キャンセルは出来ません。』
終わった………。ばれたら、PKに襲われちゃう………。でもまぁ、基本は一人で行動する訳だし隠蔽さえ取得すれば何とかなる………よね?ヤバい、凄い汗が。
『では、もう1つの特典コードですが………』
すみません、全く忘れてました!そうだよ、もう1つコードは有るんだった!うわぁーん………!!
『あとで、卵をゆっくり選んでくださいね。』
なっ、何か怖いけどわかった。なので、無言で顔を青ざめつつ頷いた。
『次に、キャラメイクですね。』
「待ってました!」
さて、キャラメイクはどうしよう。
髪は、やっぱり黒が良いなぁ~♪容姿は、飾るのは嫌い。でも、何もしないのは味気がない。なので、髪を肩にかかるぐらい伸ばそう。
リアルで、中性的な容姿だったので髪で目を隠していた。だけど、ゲームだし隠さなくっても良いよね……うん。髪は、結んでる髪型にしよう。
うん、髪を結べば男に見えるね。
さて、瞳も黒にしよう。次に、種族を決める。
ちなみに、このゲームはリセマラは出来ない。同じ機械で、ログインする限り決まった事は覆らないんだ。
エルダーエルフ・エルダードワーフ・魔族・天族・エルフ・ドワーフ・獣人・ハーフエルフ・人間・ホビット10種族が選べる。
それと、ランダム。
文字通り、何が出るかは運営のみ知る。
ちなみに、シークレット種族が今回は追加された。
リンク・天人(仙人)・龍人・天魔族・トリックスター5種類。しかも、リンク・天人・龍人は1人ずつしかなれない種族らしい。
ちなみに、5種族はジョブが勝手に固定される。何故なら、基本………種族じたいが強すぎるためだ。
安定で、選べる種族を選ぶか。運に任せて、種族を選ぶか。
きっと、他のプレイヤー達は悩むんだろうなぁ。
まぁ、種族は別に何でも良いかな。そうだ、それこそランダムで運試しをしてみるのも面白いかも。
ではでは、ランダム………ポチッとな♪
シークレット種族:龍人
…………まずは、いったん深呼吸。これは………
『ルイス様、おめでとうございます!』
ルイスは、頭の角と尻尾をチラッと見る。龍人なので、尻尾にはフサフサした白い毛があるちなみに尻尾は髪と同じ黒である。
マジなの……、角と尻尾ぉおおっ!!もう、本当に無理だよ。僕には、キャパオーバーだって!
そうだ、鏡で確認しないと。龍人姿は、髪が腰まで伸びてから黄金の瞳になっている。ちなみに、龍人の時は髪を結べない。それが、ショックだなぁ。
この、髪が伸びたり色が変わる現象は種族効果。エルフの場合、貧乳で目が緑になる。ちなみに、課金アイテム……容姿修正薬で巨乳とかに出来るけど。でも、このアイテムは1回しか使えない。
だから、何度も修正するのは不可能である。
そうだ、固定ジョブは………!?
その前に、シークレットは種族だけじゃなく職業にもあります。祈祷師・陰陽師・双剣師・竜使い・ギャンブラーの5種類。さて、深呼吸!
ルイスは、職業を見て思わず絶叫してしまう。
支援・回復職:祈祷師
もうこれ、誰にも見せられない………
ちなみに、種族と職業がシークレットになる確率は0.001%で奇跡が起こらないとかさならない。
まぁ、陰陽師や双剣師よりはましだよね。うん、そういう事にしてください。と言うか、もうやめて……僕のメンタルは、既にもうボロボロですから!
もう1つは、薬師にしよう。錬金術・料理と、とても相性が良くって龍人(※生産職業の場合)に最も適した職業だから。よし、後はスキル……
祈祷師は、バフ・デバフ・回復・範囲攻撃を得意とする。支援職業で、戦闘には向かない。ただし、味方が多ければ多いほど有利な職業である。
そして、種族スキルで現在の解放スキルは?
☆拳闘術・身かわし・聞き耳・ブレス・ドラゴンテイル
ふむ、種族スキルは拳闘術と身かわしそれと聞き耳を取得だね。祈祷師は、祈祷術と荒魂・和魂召喚そして身代わりとかかな?まぁまぁ、薬師は薬草術・毒草術・薬調合などかな。ついで、錬金術と薬師を取得すると使える薬術も取得しよう。薬なら、何でも戦闘で利用できる。
まぁ、ステータスがこれなんだし………戦う術は必要だよね。まぁ、基本は生産しかしないけど。PKも居るし、身を守る術は必須とも言えるかもね。
ちなみに、種族・職業スキルは3つずつ+1で合計10個は取れる。これは、初期プレイヤーを気遣う運営からの配慮である。βプレイヤーなら、3つスキルがあればそこから勝手に育つ。
はぁ……、何か疲れてしまったよ。
『ルイス様、これは運営からのプレゼントです。』
隠蔽の指輪が、紐が通され首飾りになっている。つけると、角と尻尾が消えて髪型と目の色が戻る。
『これで、キャラメイクは完了です。ルイス様は、何か質問等などはありますでしょうか?』
「えっと、君の名前は?」
すると、キョトンとするピクシー。
『私は、レインと申します。これからも、よろしくお願いいたしますね。他には?』
「今は、思い浮かばないです。」
『そうですか。さて………ああっ、そうでした!隠蔽の指輪は売らないでくださいね。持ってないと、解放できないスキルがあるので。ちなみに、シークレット種族のプレイヤーは良い値段がするので売ってしまうんですよね。お陰で、売られると分解されるので幻想級までのレア度に上昇してしまいました。きっと、狙う輩が現れますので気をつけて。』
ルイスは、思わず深くため息を吐き出した。
「レイン、情報と忠告ありがとう。」
『それと、初期装備でいくのですか?』
レインの言葉に、苦笑しながら答える。
『初期装備じゃないのは、βプレイヤーの証だよ。目立ちたくないし、何より鴨られるのは嫌だ。それに、初期装備でこの名だと良い経験値が釣れるんだよねぇ。本当に、面白い事にね……。』
ルイスは、腹黒い笑みで最後に呟く。
こうして、設定が終わった。さて、後はサービス開始を待つのみ!よし、生産を頑張るぞぉ♪
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