第26話 すきま風 呼んではないが 詠んでみた
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すきま風 呼んではないが 詠んでみた
すきま風 急行型の 窓枠よ
囚われの 養護施設の 子どもらの その間をも 吹きぬく寒気
春来れば この地を去らむ 若き保母の 胸に秘めたる 思ひ何処に
しもやけを かの少年に 与へしは 丘の上にぞ 吹きすさびし風
ただ単に 吹いてくるだけが 風じゃない 人の間を つくすきま風
春組みて 夏盛り上がり 秋を過ぎ 冬ぞ目を出す サヨナラの芽よ
丘の上 移転後の地に 通勤す 老体鞭打ち 最後の奉公
若き日の 師範学校に 学びたる 知識も技も もはや通ぜじ
つなぎとは 言へどあるじの元教師 今や通ぜじ 親方日の丸
戦後すぐ 保母となりてぞ 三十と 余年の女性(ひと)に すきま突く風
新しき 丘の上にぞ 建てられし その地の居場所 探す老保母
次期園長 その子世代の 入所児童 若き男らの 叩きし老害
急行の 東海道の 湘南の 窓枠からの すきま風かな
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