コロコロ
コロコロ。
コロコロ。
畳の上を達磨が転がる。
コロコロ。
コロコロ。
棚から落ちて転がっていく。
「ああ、そっちは駄目よ」
ころころ。
ころころ。
達磨の側で首が転がる。
ころころ。
ころころ。
達磨の動きに合わせて転がる首にある赤い唇から言葉がこぼれる。
「ああ、そっちは駄目よ」
でも止めることはできない。
止めるための手も足も体もないのだから。
コロコロ。
コロコロ。
達磨は転がる。
そのまま縁側から庭へ落ちていく。
今日も首は達磨を止めることはできない。
これからも止めることはできない。
止めるための手も足も体もないのだから。
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