身バレしたンゴ

竹槍

その時は唐突に

 やっとのことでほぼ通常時程での授業が再開されて二日目、教室移動した先で先生を待っていた今日の一限目のこと、その時は突然にやってきた。


「これ君のだろ?」

 去年までクラスが同じだった友人(そう思ってるのは私だけかもしれないが)、徳川君(仮名)がそう言ってスマホの画面を差し出してきた。


 新しいクラスメイトとメンヘラについての議論を交わしていた私は驚愕した。


 彼のスマホに映し出されていたのは、紛れもなく私のTwitterのアカウントであった。リアルで使用しているものではなくリアルバレしてはいけない方の。

 困惑を隠せない私にトドメを刺すように、彼は直後カクヨムのアカウントを見せつけてきた。

 Twitterにリンクを貼っておいたのだ。当たり前のことである。



 その後の数学の授業に身が入らなかったのは言うまでもないだろう。


 相互のリンクを切ってカクヨムの方の名前を変えるか? いや狡猾な彼の事だ。双方きちんと保存しているに決まってる。

 いったいどうしたものか。



 そして三限目の英語の時間中のことであった。


「毒も喰らわば皿まで」


 私の脳裏にそんな故事が浮かんだ。



 そうだ、何を迷うことがあろうか。皿もろとも毒を喰らった上で食卓に脳天を叩きつけ中身をぶちまけるのが私のやり方ではないか。



 風を斬れ、咆哮こえを枯らして、

 獣が嗤うこの街で

 喰うか喰われるかの運命さだめ



 チャイムを聞きつけた私はスマホを手に取り、armor zoneがイヤホンから聞こえてきたのを確認してカクヨムのワークスペースを開いた。

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