オーガ・プロトコル

@willow_s

紫の憂鬱

第0話 プロローグ 

僕には夢があった。

非現実的で何の根拠もなく、でもスケールの大きい夢だ。

世間はこれを中二病やら妄想やらと、冷ややかな目でみる。

でも僕は純粋な希望にみちた少年心であると思う。

その力は直線的で貫通力のすさまじいものだ。

どんな壁が目の前に立ちはだかっても、必ず乗り越えられる。

もちろん、根拠はない。でも根拠がないからって、あきらめるのはおかしい。

人間が認識しているのはこの世の数パーセントにも満たないことなんだ。

と、どっかの本で見たことがあるような気がする。

生まれたときから、自分に何か非現実的なことが起こると自覚していた。

僕はこの世界を変えるスーパー最強ミラクル無敵ボーイになるんだ!

・・・

そんなことをかつては語っていた。

別に黒歴史とかは思っていない。あれはあれで幸せだったのかもしれない。夢があるからこそ生きる希望が生まれ、人は幸せになる。しかし今となっては夢も希望もなく、償いの義務で生きている。そこには喜びも癒しもない。

過去の愚かで無知な自分に戻って、あの時、あの場所で、僕は死んでいればよかったのだ。


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