11月17日

 舌ったらずで死ぬほどつまんない話を目の前で話されて、なんだかもう世の中って面白いものなにひとつないのかも、と思えてきた。

「えー、なんでそんな顔してんの」

 目の前の女の子が言った。

「うーん、なんか疲れちゃってるみたい」

 そう、まもなく年末なのだ。仕事が忙しすぎて、もうどうしようもないってときに、なんでわたしはこんなたいして仲も良くないこと話しているんだろう。

「まって、めちゃいい薬あるよ!」

「え、変なのじゃないよね」

「何言ってんの。ほら、これあげるよ」

 そう言って彼女は飴をよこした。

「え? これ?」

「店内で食べちゃ怒られるからこっそりね」

 なんだか、このこ、いいこかもしれない、と思った。

「でね……」

 つまらない話が続き、一瞬でそんな気持ちは失せた。

 帰り道、わたしはあのこにもらった飴をコンビニで買った。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー?」

「今日は将棋の日〜」


ギャンブルもだけど将棋もマジでちゃんと覚えれば良かった〜!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る