10月19日
厳しい修行の果てに、わたしはある能力を手に入れた。はじめは優越感で、周囲の人を心の中で馬鹿にしたものだ。その能力のことは門外不出であったので、誰にも自慢できないのがひどいストレスだった。次第にわたしは人と距離を取るようになり、ただの偏屈な老人になってしまった。
あるとき一人の若者がやってきた。
「あなたがあの能力を持っていると知りました、わたしに伝授してください」
そのときには、わたしはもう能力の使い方をすっかり忘れてしまっていて、どうがんばってもできそうもなかった。
なのでわたしは、
「あんなものを手に入れたとしてもなんの役には立たない」
と言って若者を追い返した。
しばらく若者はわたしの周囲をうろついていたが、諦めて去っていった。
もう一度あの能力を使う機会さえあれば、と悔やんだが、この世の中ではもう必要のない能力と成り果てていたし、わたしにはもうそれを扱う力も残されていなかった。
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「今日はなにー?」
「今日はバーゲンセールの日〜」
某ブランド(なんとかギャルソン)が好きなのですが、基本セールでしか買い物できません。しかしセールでも高い!
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