7月27日
閉店間際の喫茶店にいたら、遠くから罵り合いの声が聞こえてくる。
「ああもう、わかったから、わたしがまた騙されたってだけだから!」
不穏な怒声。なんだなんだ?
聞いていると、どうもながらく不倫関係になっている二人が、些細なこと(旅行に結局行けないとか。些細じゃないか)と喧嘩しているのだ。
「もういいよほんといい、もううちにこないで」
女の声がほとんど人のいない店内に響き渡る。そりゃしんどかろうよ、長年の不倫とか、とわたしは読んでいた本をほっぽり出してその喧嘩に聞き入っていた。
「お勘定」
と相手の男はそばにいたウエイターに言い、二人は喧嘩しながら出て行った。
帰り道、「でも結局あの人たち、またよりをもどして喧嘩するんだろうなあ」と思った。そうであってほしい。
不倫は良くないけれど、あんなふうに別れるのも悲しいじゃない、と。
その意見は、自分、人がいいだけかもしれない。喫茶店にはいなかった、不倫「されてる」人のことを考えたら。
でもやっぱり、せっかく出会ったのだから。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「今日はなにー?」
「今日はスイカの日〜」
まるごと買うことって最近はないんだけど、真っ二つに切るとき、謎の達成感がありますよね。スイカ割りもまったくしてないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます