1月3日

 ずっと夢に出てきていた人が、目の前にいて驚いた。

「あ」

 と思わず声を漏らしてしまった。

 カウンター越しにいたその人は、不思議そうな顔をしていた。

 わたしは袋を貰って、そそくさと立ち去った。なにせ並んでいたし、わたしの後ろのおばさんが並んでいる途中で「さっさとしなさいよ」なんてぶつくさ言っていたから。

 出会ってしまった。

 これはもう運命に違いない。


 夢の中でわたしはその人とクレープを食べていた。

 いつだって、彼とわたしは恋人同士という設定だった。

 冬で、新宿のGAPの向かいにあるクレープ屋さんだった。

 わたしは寒いのに、アイスクリーム入りのやつを頼んでいて、「さむっ」と身勝手な不平を漏らした。

 それを見て、彼は笑った。


 ああ、胸のネームプレート見ておけばよかった。

 本屋になんて、ほぼ行かなかったから、近所に運命の人がいるだなんて気づかなかった。

 わたしは立ち止まり、振り返った。

 近所の本屋が、まるでパワースポットとか綺麗な景色みたいに、感じた。


✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「今日はなにー?」

「今日は瞳の日〜」

三が日も今日でおしまい、鏡で自分の目をチェックしましょう。仕事かと絶望してちゃ運を逃します。

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