犬神

@mono_00_

第1話

空っ風吹く町

コートを羽織ってビルの谷間を歩いてる人がいたり、

部屋でレースのカーテン越しに何となく空を見てる人がいたり


そして犬の散歩する少年がいた、いつもと同じコースを行き、畑しかないその場所で

急に犬が遠吠えを始めた『おっ!どうしたパトラッシュ!?遠吠えなんてしたこと無いのに...』


といった直後、どうやらうちの愛犬だけじゃないことが分かった、あちこちから犬の遠吠えが聞こえ、ついに大気を震わし、地が揺れるほどにまで遠吠えの声が大きくなった。

日本中、いや世界中の犬が遠吠えしているに違いない。



ある場所の土の中で目覚める何か、そして土煙をあげ土の中からでてくる。

その大きさは体高が富士山ぐらいの大物だ。


少年はいつの間にか止んでいた遠吠えの事など忘れて、遠くで高々とあがる土煙に目を丸くしていた。


他の所でも大物が出てきた揺れにみんな家や町中でドギマギ



そして、やっと土煙から現れたのはでっかい犬みたいなモンスターであった。

少年『やばっ!パトラッシュ暢気に散歩してる場合じゃない家に帰るぞ』

パトラッシュ『帰りたければ一人で帰れば良かろう』


少年『(゜Д゜)!!しゃ・・・しゃべった・・・!?』


パトラッシュ『ああ、喋れるぞ、黙っておったがわしはただの犬ではない。因みに他の犬は喋らんぞ、それとさっきの遠吠えは、わしが一番最初じゃ。あっ!ちょいと喋りすぎたかの、そいじゃわしは行く』


少年『いくってどこに、まさかあのでっかい犬の所?』


パトラッシュ『さぁな、マサハルは家に帰りな、あばよ』

いつの間にか縄を放していたらしく、走り去っていくパトラッシュそして追いかけるマサハル。


パトラッシュ『ん、なぜついてくる?』


マサハル『なぜって、飼い主が最後まで面倒見るものだろ』

さらにスピードを上げるパトラッシュ


『はぇ~、決めゼリフだと思ったんだけどな・・・』

汗だくになりながら、後を追いかけ、杉とか檜の山ら辺で追いつく

マサハル『はぁはぁ・・・あれって大きいから、ここからでも見えるけど、結構距離あるよ』


パトラッシュ『分かっておる、それより腹が減った、あそこのコンビニでドッグフードと牛乳を買ってきてくれ、面倒みるのだろ』


マサハル『むむっ!分かった行ってくる』

財布の中には3千円、そのお金で自分の食べ物とパトラッシュのを買った

そこで散歩にしては帰りが遅いので心配しているんじゃないかと思って家に電話をかけることにした(携帯は無かったのでちょうどあった公衆電話で)

ピッポッパ、、


母『もしもし』


マサハル『俺だけど』


母『あっマサハル!』


マサハル『いや、あのパトラッシュが逃げちゃってさ、捕まんなくて、今追いかけて途中なんだ。ちゃんと捕まえたらパトラッシュと一緒に帰るからさ、心配しないでね』


母『あ~そうなの、いやこっちもさっきすごい揺れあったでしょ、それで色々とひっちゃかめっちゃかなの、でも無事ならよかった早く帰ってくるのよ、じゃお母さん忙しいからね』


ツーツー・・・


(´д`)そんな心配してる風がなかったので、逆に寂しいような気もした。

でもあの揺れで結構な被害が出たんだと思った、畑の真ん中だったから見た目にはあまり変わらなかったので、しかし今思い出してみると相当な揺れだったと思いながらパトラッシュの方へ向かった。



そして時は遡ること大物が出てきた時まで


防衛省『なんだアレは!今すぐ査察隊を出せ!』


色んな人『はっ・・・コブラ・・・なに?・・・準備だ・・・了解・・・』




そしてマサハル達

よく整備された山っぽいので月明かりが地表まで差し込んでくる、の大きな石の上


マサハル『ほら』


パトラッシュ『あぁ』


しばし食べる。


パトラッシュ『そういや、さっきのこと』


マサハル『ん、あっ遠いぞって言った事?』


パトラッシュ『あの大物からでる空飛ぶ犬達が探すことになっとる、やつらは手当たり次第に犬にコンタクトをとって探しておる、そりゃすごい数でな』


マサハル『・・・ん~パトラッシュ何をする気なの?』


パトラッシュ『・・・まぁいいだろう、、あれは破壊神。しかしまだ完成ではない、あれが体、わしが頭脳じゃ、そして融合して完成形になった時、世界をこわす。』


マサハル『・・・パトラッシュ、さっきから話が吹っ飛んでるけど、本当の事を言ってるの?』


パトラッシュ『うそを言ってどうする、もう止められない、世界を終わりにする。』


マサハル『そ、それが本当だとして、何のためにそんな事をするの?』


パトラッシュ『一対の双眸でしか世界を見ていないマサハルには分からないだろう、世界がどんなものか、わしは世界中の犬とコンタクトができる、そしてわしはずっと見てきた人間がどんなものか、そしてこれ以上好きにさせてはおけん、じゃから全てが手遅れになる前に、人類、すなわち世界をこわすのじゃ。』


マサハル『・・・ぼくが何も知らないとしても、人は間違いを直せるものだと思うよ、』


パトラッシュ『そうか、しかしもう遅い、もうじき迎えが来ておしまいじゃ、マサハル最後の夜ぐらいのんびり過ごすのもよかろう』


マサハル『そっか、じゃしょうがないね、でも今日はパトラッシュと喋れて良かったよ、こんなことが起きなければパトラッシュと喋ることも一生なかっただろうしね』


『はっ!やはりマサハルはのんびり屋さんじゃの・・・』



すまん、マサハル


そしてその日は二人丸まって眠り、朝を迎えた。


一方眠らない防衛省『このまま監視を続けても、変わらんなもしかしたら今日中にも攻撃命令がでるかもしれんな』



朝起きると、パトラッシュは起きていて朝日を浴びていた、そしてパトラッシュと話をしていたとき空から二つの影がやってきた


パトラッシュも気づきそちらを見ている。


地面に降りたったそれはうだった、パトラッシュに近づき向かい合っている。

するとパトラッシュの体が浮き、こちらをちらりと見て飛び立った


一瞬だった何もかも影がやってきたパトラッシュが浮くまで



で今、僕はパトラッシュとコンタクトとっていなかったもう一匹の尻尾にしがみついてる


何でこうなったかは自分にも分からない、ただパトラッシュが行ってしまうと思ったら、体が動いたんだ


そして白銀の大物の所になんとか着いた



マサハル『ぐはっ!さむっ!風つよ!』

着地に失敗して声を上げる、そしてマサハルがいる事に気づくパトラッシュ


パトラッシュ『マサハル!なぜここにおる!』


マサハル『いや、何となく、、来る途中で考えたんだ、やっぱりパトラッシュ良くないよ、僕が知ってるパトラッシュは人に噛みついたりしない優しい犬だったはずだ!』


パトラッシュ『そ、それは興味がないからじゃ!』


マサハル『そうだとしても、パトラッシュこんなこと止めてくれ、今の世界がだめなら、俺がだいとう・・・』


その時、空から何かがそして爆発、爆炎で辺りが見えなくなる、マサハルも


パトラッシュが空を見るとコブラやらファントムが旋回していた

パトラッシュは白銀の大物と融合した


パイロット『目標の行動を確認!こっちに来ます!、あっいや逃げ切れません』

脱出


?『暴れるなよ落ちちゃうよ』



パイロット達『やられたか!一時撤退だ、了解。』


なおも暴れるパトラッシュ

ふいに耳元で声がした、

パトラッシュ、さっき最後まで言えなかった事は、『今の世界がだめでも、俺が大統領になってでも変えてやるよって事、それと今、暴れてるのは俺のために怒ってくれてるんだよな、やっぱりパトラッシュは優しいよ』


パトラッシュ『!!』


遠吠えをするパトラッシュそして世界の犬達


マサハル『別に死んでないからね、出来ればあの飛ぶ犬で病院連れてってくれるとありがたい(´ ヘ`;)・・・』

気を失う




目が覚めると病院だった、容体は爆風に飛ばされただけだったようで、外傷はないが、かなりの疲労状態だったらしい。

そして傍らにはちょこんとパトラッシュが座っていた


マサハル『パトラッシュ!分かってくれたか』


パトラッシュ『ふん、お前が背中にいて邪魔だったからの、退かしに来ただけじゃわい』


マサハル『そっか、でもありがとう、ところであのでっかいのどうなったの?』


パトラッシュ『あぁあれかあれはな、ある感情が原動力になって目覚める、しかしその感情を打ち消す感情をぶつけると相殺されて、目覚める前の状態にまで戻るようだな、あっそれに伴ってわしももうじき喋れなくなるな』


マサハル『あっ・・・そうなんだ、なんだか寂しいな、でも大丈夫俺にはやるべき事もできたし、パトラッシュがそばにいてくれるだけで十分だよ』


パトラッシュ『ふんっそうか、じゃこれからも頼むぞ、最後までわしの面倒みるのだろう』


マサハル『もちろん!最後まで面倒見るのが飼い主ってもんだからな』


パトラッシュ『ワン』





終わり

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