召喚されたら魔王でした、しかも勇者召喚の儀で呼ばれるとは…

珈琲

第1話 召喚されたら魔王でした

 俺の名前は大 真央(ダイ マオ)22歳大学生だ。


 この名前のせいで元居た世界では小さいころから友達からはあだ名で大魔王とか、魔王様とよく呼ばれていた。


 そんな俺が本当に異世界で魔王をやることになるとは……


 俺は地方の建築学系の大学に通う、どこにでもいる普通の大学生だった。


だったというのは今俺は大学どころか日本にいないからだ。


 何でかある日突然この剣と魔法のファンタジー異世界「ユウキリ」の『勇者召喚』の儀式に巻き込まれてしまったからである。


 しかも、勇者じゃなくて俺は名前の通り魔王として召喚されてしまったみたいだ。


…あろうことか勇者達と一緒に。


 こんなふざけた『勇者召喚』の儀式を執り行ったのはこの世界の一番最北に位置するホクカン王国という国だった。



 召喚した勇者達は4人だったはずなのに、5人目も現れたものだからその場にいた王族達も城の者達もどうすればいいのか混乱して遠くからこちらを観察していた。



………


……



ピピピピ…


「…警告、スキル偽装が未展開です、偽装を発動してもいいでしょうか? YES/NO」


ピピピピ…


「…警告、スキル偽装が未展開です、偽装を発動してもいいでしょうか? YES/NO」


「…うるさ」


頭の中に鳴り響く音によって俺が現実世界に連れ戻された、そして目覚めると自分の部屋ではなく見慣れぬ場所なので俺は困惑した。



「…見知らぬ天井、どこだここ?」


「やっと、お目覚めですかマスター、ただいま敵地候補の真ん中でスキル偽装が解けて非常に危険な状態になっております、スキル偽装を展開してもよろしいでしょうか、さすれば警告音も鳴りやみます スキル偽装を使用してもよろしですか YES/NO」


「…許可すれば鳴りやむんだこのうるさい音が、じゃ、イエッスで…」


「無事スキル偽装を展開されました、これでステータスなどを他者から覗かれても、偽装されたステータスやスキルになりました」


「ところで誰?姿が見えないけど?」

仰向けのまま顔をキョロキョロと動かしたが周りに誰もいなかった


「私はマスターのスキルなので姿はなくマスター以外は聞こえませんですので質問も心で考えて下さい、声に出さなくてもわかるので結構です、今後は私のことは「ナビゲーション」の『ナビー』とお呼び下さい」


「『ナビー』?スキル「ナビゲーション」?」


「これからナビーはマスターに危険が迫っている時には、警告などを担当させていただきます」


「え、…うん?」


「そしてマスター、次の警告ですがこの城の者はマスターの称号がばれますと敵となりますから速やかに抜け出すことを進言いたします。」


そういわれて、周りを見渡したら俺は城の石畳の上で仰向けで倒れていたことに気づいた。


 上半身を起こしてまわりを確認すると少し離れたとこに見たことある高校の制服を着ていた男が1人と女が3人が一緒に寝ていた。


 そしてかなり離れたとこから俺達5人を監視するように映画にでてくるような貴族ぽい格好の者とそれらを守護する感じの鎧姿の集団がこちらをうかがっていた。


 俺が動いて意識を回復したことに気が付くと、代表らしきものが近づいてきて話しかけてきた。


「気が付かれましたか異世界の勇者様、すこし私の話をよろしいでしょうか?」


 異世界の勇者様なんて呼ばれたもんだから、正直はちょっとだけ俺が勇者なんて期待してたんだけど。


 すぐに期待はずれだったことが判明した、ちらっとほかの4人のほうを見たらステータスが見れて称号みたら全員勇者、そして自分の手をみたら自分のステータスが見れて称号が魔王となっていたのをみて驚愕…。


 どうやら4人が勇者として召喚されて、俺だけ魔王として召喚されてしまったぽい…。


まあ、ナビも称号見られたら敵となるとか言ってたし、とりあえずナビに言われたように予定通りどうにか逃げますか…。


 召喚された俺たちはその場でステータスの開き方やスキルや魔法にもランク(C→B→A→S)があるのを教わり、魔法やスキルは使えば使うほど上がっていくということを教わった。


 ついでに魔法やスキルなどの発動方法を教えてもらった。


 この世界での魔法の使い方は魔力をグローブとして具現化して身に着けるとグローブから魔法がつかえるとのことなので試しに具現化をしてみた。


 説明を受け、アドバイス通りやってみると俺は手にはあっさり水晶のついたグローブが現れた。


 ほかの4人は赤、白、黄、青色の戦隊色に対して俺のグローブは魔王、悪の組織ぽい黒色だった…


 そしてある程度具現化などに慣れた後、城の者達からステータスと職業を鑑定師が来て詳しく鑑定をすると言う流れになった。


 詳しく聞いてみるとどうやらこの世界では他人が他者のステータスをみるには専用の道具スクロールでみないとスキルなどはみれないとのことだ?


あれれ?おかしいな?


でも俺ほかの人のステータスが普通にみえてるけど?


どういうこと?


そして改めて自分のステータスをもう一度詳しく確認してみた。


名前:大 真央(ダイ マオ)

性別:男

称号:異世界から来た錬金術師

(異世界から来た魔王)

職業:錬金術師

LV:01/99

HP:150/150(1500/1500)

MP:160/160(1600/1600)

SP:100/100(1000/1000)

攻撃:65(650)

防御:75(750)

速さ:55(550)

魔力:85(850)

魔力防御:95(950)

幸運:5


【スキル】

水魔法(C)

風魔法(C)

錬金術(C)

合成錬金(C)

(状態異常耐性(EX))


【ユニークスキル】

言語理解(C)(EX)

アイテムボックス(C)(EX)

(ナビゲーション(C))

(解析鑑定(EX))

(偽装(EX))

(ダンジョン制作(C))

(魔物作成(C))

(魔王覇気(C))


【祝福】

女神の加護(C)(EX))

(邪神の加護(EX))


あっ、ステータス見えてるのてこれか解析鑑定てやつのせいか、しかもランクEXてSまでじゃないじゃん。


 しかも邪神の加護に女神の加護までついてるし、色々おかしくねえ?


…それにしてもなんかlv1なのに俺て幸運以外のステータスたかくねえ?



…はっ、おい、もしかして幸運値が異常に少ないからこんなアウェイなとこに召喚されてしまたのか俺!!


 このステータスの能力が普通なのか非常識なのかわからないのでちょと隣にいる男の勇者君一人をこっそり覗いてみた。


名前:多田 千次 (ただの せんじ)

性別:男

称号:異世界から来た勇者

職業:戦士

LV:01/99

HP:300/300

MP:50/50

SP:100/100

攻撃:160

防御:100

速さ:60

魔力:80

魔力防御:60

幸運:30


【スキル】

炎系魔法(C)

盾技術(C)

状態異常耐性(C)


【ユニークスキル】

言語理解(B)

アイテムボックス(A)

聖剣技術(B)


【祝福】

女神の加護(C)


…スキルは強そうな戦士系スキルもってるけど、ステータスの数値が勇者は俺に比べて弱ぃ…。


 大丈夫かこんな弱い勇者で下手すりゃ魔王の攻撃でワンパンじゃねえかよ。


…あ、俺が魔王でした。


とりあえず俺は鑑定士に鑑定されて魔王てばれないかドキドキしながら鑑定結果を待っていたが偽装スキルのおかげで無事偽ステータスで通ったので一安心した。


 しかし、HPとかMPが他の4人は最大でも300から200程度に対して、俺はHPは1500、MPは1600あるとかおかしくねえ?


しかもlv1でてことはさらに成長するてことだよね…。


成長したlv99の魔王とかてかなりやばくねえ?


魔王討伐とか無理ゲーじゃねえ?


 城の者達に詳しく話を聞くとそれでも勇者達はこの世界の平均を初期値で2倍から3倍くらい上回っているからそこそこ力はあるとのことだ。


 でもさ、俺の初期値に比べたらこの4人大きく見劣りするのは間違いなくて魔王の俺が心配するレベルだった。


 だけど共通スキルの言語理解とアイテムボックスのほかに、勇者達は聖剣技術とか聖槍技術とか詠唱破棄とか思考加速とか戦闘に特化したスキルばかりで、王族達や兵士達が驚愕するほどのスキルを持っていた。


 それに加えて火、水、土、風、雷、聖なんかの魔法のスキルもいろいろ持っていたのだ。


 まさに勇者てやつだ。


 対して俺のはというと、共通スキルの言語理解とアイテムボックスとナビゲーションと、水魔法と、風魔法の魔法2つ、耐性で状態異常耐性、生産スキルぽい錬金術、合成錬金、解析鑑定、偽装、ダンジョン制作、魔物作成、そして唯一魔王ぽいのが魔王覇気だ。


 スキルの数は多いけど、なんか魔王じゃないて感じだ。


 魔王なのに戦闘スキルがなんでないって、これじゃ魔王感ゼロじゃん、どうみても俺生産者て感じである。


 …とりあえず魔王なんだからさ。


 強悪な闇魔法とか、すごい攻撃スキルとかで俺Tueeeとかしたいじゃんどうせなら、そして俺を討伐しに来た勇者達を返り討ちにしたいじゃん自分の身を守るためにもさ。


 偽装スキルのおかげか城の王族達には生産者かと無事がっかりされたし、勇者達4人には「え?異世界にきて生産職なの?」と欺けたので、予定通り役立たず的な扱いになった。


 それでも『勇者召喚』でこっちの世界に召喚されたのは間違いないから、俺も王様との謁見の場には立ち会うことができたんだけど、その王様が胡散臭いのなんのそのってね。


 この国の王様曰く、


 現在魔族が各国の支配を目論みこの国にも度々攻め込んできてる。


 そんな状態でこの世界の国の民は今苦しんでいる。


 そこですがる思いで古の禁断の儀式である勇者召喚の儀を行った。


 こちらの都合だけで召喚したうえに身勝手な願いだが何とかこの国を魔族から助けてほしい。


 元の世界に帰る方法はこの国には伝わってはいないが、魔法に長けた魔王なら知っているはずだから倒して聞いてくれ。


 まぁこんな感じの言いぶんだった。


 聞き終わってから思ったことは明らかにこの王様の話がうさん臭い、そしてこの世界には俺以外にすでに魔王がいるということが分かった。


 特に元の世界に帰る方法とかさ、俺も魔王だよ、俺のスキルにそんな魔法ないし、そんな知識もあたえられてないだよね「本当に別の魔王なら教えてくれるの?」て疑問だった。


 あと、王様の言いぶんだとこの国は危機的状況にあるはずなのに、ここの城の人達に全く悲壮感も危機感もないのも怪しいだよね。


 王様は肥えた身体に、どんだけ金掛かってんだよって感じの宝石だらけのド派手なマント、センスの欠片すらない成金の衣服。


 横に座っていたお妃さまもいかにも贅を尽くしてますって感じのド派手なドレスを身に纏ってまさに悪女て感じすら漂わせてる。


 魔族によって国民が苦しんでいるって憂いている王族たちが、本当にこんな贅沢三昧するか?


 それに勇者とは言っても結局この国を守るために魔王軍との戦争に駆り出されるとか、とにかくこの国にいいように使われそうな感じなんだよね。


 しかも、俺は勇者どころか魔王だし、最悪魔王てばれたら今すぐ処刑される可能性だってある。


 ここはナビーのアドバイスもあることだし素直に城からそしてこの国から逃げた方がいいと判断した。


 だからとりあえず俺は王の話が終わり帰り際に下手に出てこう言ったんだ。


「王様意見よろしいでしょうか?」


「なんじゃ、答えてみよ」


「どうやら自分は勇者ではなく生産職ぽいので、ここにいても戦力にすらならないので、もしよければ職に就くまでの数か月くらいの間暮らしていけるお金を頂けませんでしょうか、あとは自分でどうにかしますので」と王に願い出た。


 そしたら案の定というか、厄介払いができると思われたのか金貨がはいった袋をすんなり持たされて城の外に兵士に案内されたよ。


 そして現在この街を歩いている今に至るという訳だ。


 さあ早く旅の準備してこの国をから逃げ出そうか。


____________________


名前:大 真央(ダイ マオ)

性別:男

称号:異世界から来た魔王

職業:錬金術師

LV:01/99

HP:1500/1500

MP:1600/1600

SP:1000/1000

攻撃:650

防御:750

速さ:550

魔力:850

魔力防御:950

幸運:5


【スキル】

水魔法(C)

土魔法(C)

錬金術(C)

合成錬金(C)

状態異常耐性(EX)


【ユニークスキル】

言語理解(EX)

アイテムボックス(EX)

ナビゲーション(C)

解析鑑定(EX)

偽装(EX)

ダンジョン制作(C)

魔物作成(C)

魔王覇気(C)


【祝福】

女神の加護(EX)

邪神の加護(EX)


【祝福】

女神の加護(EX)

邪神の加護(EX)


____________________


名前:多田 千次 (ただの せんじ)

性別:男

称号:異世界から来た勇者

職業:戦士

LV:01/99

HP:300/300

MP:50/50

SP:100/100

攻撃:210

防御:150

速さ:90

魔力:90

魔力防御:120

幸運:30


【スキル】

炎系魔法(C)

盾技術(C)

状態異常耐性(C)


【ユニークスキル】

言語理解(B)

アイテムボックス(A)

聖剣技術(B)


【祝福】

女神の加護(C)

____________________


名前:鏑木 綾子(かぶらぎ あやこ)

称号:異世界から来た勇者

職業:斥候

性別:女

LV:01/99

HP:200/200

MP:150/150

SP:200/200

攻撃:150

防御:120

速さ:210

魔力:150

魔力防御:150

幸運:80

名声:1


【スキル】

土系魔法(C)

風系魔法(C)

短剣技術(B)

聖弓技術(C)

罠回避技術(B)

状態異常耐性(S)


【ユニークスキル】

言語理解(B)

アイテムボックス(A)

思考加速(C)

魔力探知(C)


【祝福】

女神の加護(B)

____________________


名前:天野 真琴(あまの まこと)

性別:女

称号:異世界から来た勇者姉妹

職業:魔法使い

LV:01/99

HP:150/150

MP:250/250

SP:100/100

攻撃:60

防御:80

速さ:70

魔力:240

魔力防御:180

幸運:65


【スキル】

炎系魔法(B)

風系魔法(B)

雷系魔法(C)

杖術(C)

状態異常耐性(A)


【ユニークスキル】

言語理解(B)

アイテムボックス(B)

詠唱破棄(C)

魔力覚醒(A)


【祝福】

女神の加護(A)



____________________


名前:天野 美琴(あまの みこと)

性別:女

称号:異世界から来た勇者姉妹

職業:僧侶

LV:01/99

HP:200/200

MP:250/250

SP:100/100

攻撃:50

防御:150

速さ:80

魔力:210

魔力防御:240

幸運:75


【スキル】

土系魔法(C)

風系魔法(B)

水系魔法(B)

状態異常耐性(S)


【ユニークスキル】

言語理解(B)

アイテムボックス(B)

聖槍技術(C)

詠唱破棄(C)


【祝福】

女神の加護(A)

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